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登録日:2009/05/27 Wed 11 34 54 更新日:2024/05/10 Fri 21 41 09NEW! 所要時間:約 6 分で読めます ▽タグ一覧 EXボス お札 もこう もこたんinしたお! もっこす もんぺ やんごとなきガテン系 フェニックス フェニックスモコウ ブリドカットセーラ恵美 モコタン リザレクション 不死 不死身 不死鳥 不老 不老不死 人間 元貴族 元黒髪 富田美憂 復讐 復讐者 捨て身 斉藤佑圭 新田早規 日笠陽子 東方 東方Project 東方永夜抄 松井恵理子 松田颯水 森永理科 殺伐→人見知り・寂しがり 永夜抄 永瀬アンナ 渡辺はるか 火 火属性 炎 焼き鳥のポイ捨ては止めましょう 白瀬まゆ 白石晴香 篠原侑 羊宮妃那 肝試し 蓬莱人 藤原妹紅 西田望見 護衛 谷屋 銀髪 長妻樹里 首藤志奈 死を知らない私は闇を超越する。暗い輪廻から解き放たれた美しい弾幕を見よ! 東方Projectの登場キャラ。 読み ふじわらの・もこう 東方永夜抄 EXボス 東方文花帖 LEVEL EX 東方儚月抄 主役(異論は認める) 弾幕アマノジャク 三日目 東方深秘録 自機(PS4版 EXボス) 【二つ名】 蓬莱の人の形(永夜抄) 紅の自警隊(求聞史紀) 焼死しない人間(文花帖) 激熱!人間インフェルノ(深秘録) 【能力】 老いる事も死ぬ事もない程度の能力(永夜抄) 死なない程度の能力(求聞史紀) テーマ曲 月まで届け、不死の煙 アンノウンX~Occultly Madness(深秘録PS4版)※非想天則ラストバトルのアレンジ 迷いの竹林の何処かに住んでいる不老不死の少女。種族は人間(蓬莱人)。 永遠亭に病人を送り届けたり、竹林を通る人達の護衛の仕事をしている。 その能力で長く生きている為、様々な妖術を身につけており、妖怪とも互角に渡り合えるという。 人間であるが故に妖怪に狙われる事もある。が、それを軽くあしらう程強い。 弾幕アマノジャクや深秘録では蓬莱人であるせいか、我が身を削る事も厭わない戦い振りを全面に出している。 格闘戦ではポケットに手を入れたままでのケンカキックや、力任せにぶん殴るガラの悪いスタイル。ほぼヤンキー 永夜抄では女性らしい口調だったが、深秘録では格闘スタイルに似合うかなり男前でぶっきらぼうな話し方になった。 厨ポケ狩りの人ではない。 一応名前は妹紅から来ていると本人が語っているが。 蓬莱人とは? 蓬莱の薬を飲むことによって魂が永遠の力を持ち、不老不死になった人間の事。 厳密に言うと死ぬことは死ぬが、魂が残りすぐに体を再構築することで瞬時に復活する。 その再生力は髪の毛一本残っていればそこから元通りになる程。 大怪我を負ったとしても数日で元通りになる。 ただし攻撃されれば痛いし、お腹も普通に減る。筋肉痛にもなる。 蓬莱の薬は体の肝に溜まるらしく、蓬莱人の肝を食した者は、同様に蓬莱人になるとのこと。 炎を操る能力 メインの攻撃手段。 これに関しては蓬莱の薬は関係なく、長年の人生で習得した自前の妖術である。 通常の術者なら自身のダメージを気にしてあまりにも強力な術は使わないはずだが、 妹紅の場合は不死身なのを利用して自分も焼き尽くされるような火力の術も平気で使う。 他には符術や陰陽術、短く切った竹に火薬を詰めた炸裂弾なども使う。 蓬莱山 輝夜との因縁 元々妹紅はとある貴族(一説によると藤原不比等)の娘だった。 彼女の父親は、自分より身分の低い輝夜に求婚した。 しかし難題を吹っ掛けられ、それを達成出来ず恥をかかされてしまう。 それを恨んだ妹紅は輝夜に復讐しようとするが叶わなかった。 そこで妹紅は、輝夜が天皇に送った蓬莱の薬を処分する為、 富士山に登っていた調岩笠を急な下り坂に蹴落として殺害し、蓬莱の薬を強奪した。 それを服用した為、彼女は蓬莱人となった。 その後、妖怪退治をしながら色々な場所を放浪していたが幻想郷に辿り着き、そこで300年前に輝夜と再会。 それ以降、妹紅と輝夜は日夜殺し合いをしている。 本人は輝夜と殺し合いをする日々を充実したものだと思っているようで、 輝夜達が月に帰ってしまうと勘違いした時には永遠亭まで聞き耳を立てに行っていたりする。 余談だが藤原不比等の娘は五女のみ名前が判明していない。 仮に妹紅の父親が本当に藤原不比等なら妹紅は五女で末っ子であり、おまけに天皇の正当な血筋の人間という、かなり高貴な人物になる。 なお大伴古慈斐と結婚して大伴弟麻呂(後の初代征夷大将軍)という息子を授かっている 昔の妹紅は今のような銀髪ではなく、黒髪だった。 余り人と接するのが得意ではないようで、竹林に迷い込んだ人間を助けても何も言わず立ち去ってしまう。 だが今は人間を護る事を生き甲斐とし、少しでも里の人間と接点を持とうとしているのか、依頼すれば迷いの竹林の護衛をして貰える。 上述の通り自分の話となると始終寡黙となるが、こちらから家庭の事等を話しかけると喜んで聞いてくれるそうだ。 名前の由来は自分”も紅”く染まれという事から。 因みに吾木香/吾亦紅(ワレモコウ)という花が実存する。 バラ科の多年草。 山野に咲き、全長は約1メートル。 秋になると茎の先が分かれて暗紅色の花が多数集まった花穂をつける。 花言葉は「変化」「愛慕」。名前の由来は、「我もこうありたい」から来たという一説がある。 最近太ったらしい。 秋だから仕方ない。 深秘録PS4版にて、鈴仙のことは「鈴仙ちゃん」と呼ぶことが判明した。 輝夜嫌いをこじらせて月の民嫌いにレベルアップしている。 一方、鈴仙側は「月見をするからたまには遊びに来ないか」と月見に誘っている。 …輝夜からすれば「喧嘩友達」みたいな認識なのだろうか。まあ、妹紅も上記のことを考えると本気で嫌ってはいなさそうだが。 永夜抄では虚人「ウー」というスペカ、深秘録では土爪っぽい攻撃を披露しており、高田裕三の漫画「3×3EYES」の不死人「无(ウー)」へのリスペクトが見える。 名作なのでオススメです 以下二次設定 カップリングは、輝夜、慧音、菫子、ミスティア等。 輝夜とは犬猿の仲でありつつ長年付き合ってきた良き友 慧音とは互いに互いを大切に思っている という描かれ方が多い(原作の設定の拡大解釈)。 菫子については公式でもかなり仲良く書かれていたことや寿命差問題などからコアなファンも出てきており、 ミスティアとのカップリングも合同誌が頒布される位には支持されている。 原作では女口調だが、二次では男っぽい口調になる (ちなみに小説版儚月抄や深秘録では中性的ないし男よりの口調だったりする)。 どちらかというと公式が後からこの設定を取り入れた形になる。 ファンからの愛称はもこたん。 一時期「もこたんインしたお!」というネタがニコニコ動画などで流行ったが、これはスクウェア・エニックス提供のMMO「FF11」のネ実ネタである「ぽこたんインしたお!」の改変ネタである。 半熟英雄4が元ネタと言う人もいるが、実はあっちの方が後。つまりパロディ。 正直者の死大回転でもこたん涙目 ,-へ, , ヘ ,ヽ_,_i=/__,」 ,' `ー' ヽ i 〈」iノハル.!〉 i L ゚ ー゚ノiゝ i i ir^i `T´i'i | .i i ! ^i`''´'iイ| i.ル'ヽr_,ィ_ァ'レ' 藤原は滅びぬ! 何度でもよみがえるさ! だが画像は消えた! 修正、追記よろしく △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] RPGの東方蒼神縁起だて序盤で仲間になるのに強い -- 名無し (2013-11-24 15 44 25) 無限コンティニューできるからこの上なく戦い慣れしてるだろうからなw -- 名無しさん (2013-11-24 17 45 12) カップリング関連では不死故にいつか一人取り残される時が示唆されたりしてることが多くてちょっと切ない -- 名無しさん (2013-12-13 15 34 21) 幻想郷がサザエさん時空ならあるいは・・・w -- 名無しさん (2014-05-22 14 30 08) いつか妖怪の山登るかみたいなこと書いてたけどアマノジャク時点ではもう登ったのだろうか -- 名無しさん (2014-06-07 12 52 23) タグのにゅーくれらっぷって何だ?ww -- 名無しさん (2014-06-07 14 42 40) ↑戦闘BGMの一部分のフレーズの空耳らしい -- 名無しさん (2014-06-07 14 47 48) ゆっくりもこたんのやる夫みたいな口調が好き -- 名無しさん (2014-06-07 14 51 24) 輝夜と比べてメンタルが脆く設定されることが多いな -- 名無しさん (2014-06-20 15 04 24) デレ記はいつくるの? -- 名無しさん (2014-08-10 19 08 06) 実際、不老不死なんてのにはなりたくねぇなぁ……「死」って凄く大切で、重みのあることだと思うし。 -- 名無しさん (2014-08-24 23 13 08) 儚月小説で輝夜が月へ帰っちゃうんじゃないかと心配するもこたんかわいい -- 名無しさん (2014-08-24 23 15 40) 恩人を蹴り殺す人だけどもこたんかわいい -- 名無しさん (2014-12-09 21 04 40) もし蟹座のシラーと出会ったら間違いなく批判するだろうけどシラーさんに君も同類じゃないかとか言われそう -- 名無しさん (2015-01-16 01 06 10) ↑2 もこ「もうそろそろ時効でいいんじゃないかなあ、岩笠ァ」 -- 名無しさん (2015-01-16 02 01 35) 互いに永遠の命だけど厭世的なのが妹紅で今の時間に価値を見てるのが輝夜って対比は面白いと思う -- 名無しさん (2015-03-14 01 16 34) 普通は逆なんだろうけど片や長く生きすぎてらしさを無くしかけてて片や元々が月で異端の価値観だったからな -- 名無しさん (2015-05-27 15 28 31) かぐもこの関係の末期が新作のクソコテと嫦娥だと思う -- 名無しさん (2015-09-17 15 24 13) 蓬莱の薬を飲んだから輝夜たちと同じ領域に行けるけど、それでも人間であることにしがみついている感じ -- (2015-09-18 00 27 32) 原理的には肉体と魂を滅ぼす事が出来れば殺れると思ってたけど、魂が永遠の力持ってるから、魂も再生する可能性がある事に気づいた -- 名無しさん (2015-09-30 20 04 26) 輝夜との殺し合いも向こうが遊んでるから成り立つんだよな……本気で能力使われたら一方的にフルボッコが続く。 -- 名無しさん (2015-09-30 20 09 53) ↑つまり姫にとっては相当のお気に入りってことだろ? -- 名無しさん (2015-09-30 20 41 28) ↑なるほどなー -- 名無しさん (2015-10-15 11 45 50) 解釈は人それぞれだが神主が直接殺し「合い」って言ってるから双方とも本気だとは思う -- 名無しさん (2016-03-25 14 50 23) 殺そうとしてるのは本気だけど妹紅→輝夜と違って輝夜→妹紅に殺害動機はないんだから(せいぜい正当防衛)ただ付き合ってあげてるだけって意味で「遊び」って言ってるんやろ -- (2016-07-01 21 24 13) 「命はひとつしかなく、軽々しく扱ってはいけない」というモラルが前提にある一般人とは死生観がまったく違うから歩み寄るのにとても努力の要るキャラクターだと思う。不死身同士の戯れとはいえ殺し合いが暇潰しで、そうしていないと精神が先に音を上げてしまうっていうことを「そういうのもありかな」と受け入れるのは抵抗も大きいだろう -- 名無しさん (2016-07-01 22 34 05) こいドキでは聖に並ぶこけおどし枠。前者と違ってヴィジョーカー相手に善戦してたけど。 -- 名無しさん (2016-11-30 18 51 09) なんだかよくわからんけど、ギルティギアのバッドガイさんみたい -- 名無しさん (2016-12-06 15 47 09) 弾幕STG本編とそれ以外は分けて欲しいなあ…二次創作で勝手にいろいろつけられ過ぎて萎える -- 名無しさん (2016-12-06 16 17 38) この子に死告天使したら死ぬのかな? -- 名無しさん (2017-01-12 13 41 45) 東方のスカスカな原作を埋めるかの如く味付けされた状態がひどすぎるキャラの一人 -- 名無しさん (2017-09-15 22 33 44) (⌒,_ゝ⌒) -- 名無しさん (2018-08-25 10 33 34) (⌒,_ゝ⌒) -- 名無しさん (2019-05-30 15 03 45) 二次設定がっつり削除 -- 名無しさん (2020-08-17 05 47 54) AA可愛いw -- 名無しさん (2021-09-09 01 48 37) 名前 コメント
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デッキタイプ 妹紅主体 もこ4(妹紅4) メギド(妹紅ver)(妹紅3パチュリー1) 終わらない戦い(妹紅ver)(妹紅3輝夜1) 里守(妹紅ver)(妹紅3慧音1) プリズムリバーが含まれるデッキ VAGANZA(フラン1紫1妹紅1萃香1) メギド(パチュリーver)(パチュリー3妹紅1) 蘇生図書館(パチュリー2妹紅2) 里守(慧音ver)(慧音3妹紅1) 丑三つ時(慧音ver)(慧音2妹紅2) 丑三つ時(妹紅ver)(妹紅2慧音2) 完全燃焼(妹紅2フラン2)
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第一章『神隠し』 始める前に 美鈴は初期装備で『龍星』という専用装備品があります。 効果は「パーティー全員の与ダメージが2倍かつ被ダメージが半減」というかなり強力なので初心者も安心できる。 あくまでも初心者のお助け装備品なので自由に付け替えは自由です。 そのかわりフィールドスキルはないので注意。 初期メンバー 主人:美鈴・妹紅・早苗 式神:てゐ・ルーミア・穣子 迷いの竹林 美鈴編において初めてとなるダンジョン。チュートリアルダンジョンなのでここで操作の確認をしよう。 敵が弱く、装備「龍星」でダメージが半減されるのでいくらミスしてもよっぽどの事がない限り死んだりはしない。 正直ここでのレベル上げはまったくもって向いていない。(多くても経験値は12程度…) マップ 攻略 MAP4の奥へ進むとイベントが発生し、にとり・リグル(式神)と戦闘。 名前 体力 経験値 種族 にとり 200 20 妖怪 リグル(式神) 150 20 蟲 攻略法 リグルはスリープでこちらへ睡眠を付与してくるので先に倒しておこう。初めてのボスだが式神を使えば難なく倒せることができるのでバンバン使おう。 撃破後、主人・にとりと式神・リグルが加入し、陣形「カッパカモフラージュ」を修得する。 さらにMAP8の奥へ進むとイベントが発生し、ブーヨと戦闘。 Lv. 名前 HP 経験値 種族 神霊 再生 地相 5 ブーヨ 450 40 正体不明 - - 闇8 備考 STR VIT DEX AGI INT POT 11 22 16 16 20 10 攻撃 防御 魔攻 魔防 回避 抵抗 30 5 0 0 2 15 火 水 地 雷 光 闇 魔 斬 突 殴 - - - - △ ◎ - - - - 能力 属性 対象 備考 ダークハンド 闇・剣 敵単体 - シャドウボルト 闇 - 攻撃力がそこそこあるのでまずはにとりのスペル光学「パーフェクトカモフラージュ」を発動し敵の攻撃を無力化し、 美鈴のスペル彩符「極彩颱風」も発動、さらに早苗のスペル奇跡「奇跡の風」で腕力(STR)を上げ、妹紅で武器攻撃しよう。 体力の半分以上削ることができるので2ターン目以降はずっと武器攻撃で攻撃すれば勝てる。| 撃破するとMAP8から幻想平原へ行けるようになる。 →幻想平原 コメント ブーヨ戦後にモンスターのシンボルが復活するみたいです。 -- 名無しさん (2017-06-29 21 17 12) ↑これの意味がよくわかりません。エリア出入りしたらブーヨ戦前でもモンスターシンボル復活するのですが…もしかしてこれじゃないの? -- 名無しさん (2017-06-30 18 00 46) モンスターシンボル復活は魔法陣回復の仕様じゃね?まぁ、ここで経験値稼ぐ意味ないけど -- 名無しさん (2017-07-08 19 22 39) 龍星ないとトロコンできないのか?また美鈴でやり直せと? -- 名無しさん (2017-07-16 18 34 35) 名前 コメント
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俺はやっとの思いで家に着いた。 さて、先刻香霖堂の18禁コーナー(女人⑨禁制)で掘り出した“それ”をじっくり堪能するとしよう。 制服を脱ぎ捨て、椅子に座り、表紙を見て、そして、ぱらぱらっ、とページをめくる。 興奮のあまり呼吸が早まり、手は汗ばんでくる。 「はぁ、はぁ、これはすごいぞっ!しかし、誰にも見つからないようにしなければ‥‥‥」 コンコン! 「!?」 急いで“それ”を隠す。 「やっほ~遊びに来たy‥‥えっ、あっ、ななななんて格好してるのよ!!」 妹紅だ。手で顔を隠しながらも隙間から俺のトランクス姿を見ているのはバレバレである。 やはり、蓬莱人と言えど、精神的には興味のある年頃なのか。 「ところで何を隠したの?」 そういう所だけはしっかりと覚えていやがる。 「いや、何でもないよ」 「えーっ、絶対嘘ついてるでしょ!?今隠したの見たもんね。 ‥‥‥あ、あんただって年頃の男の子なんだし、私のこと受け入れてくれたし‥‥ ‥‥だから、私だってあんたのこと、何だって受け入れるつもりだし‥‥」 だが、しかし、“それ”だけは見られるわけにはいかない。 このデスノ (省略されました 続きを読むには“もこタンにインしたお”とか書いて下さい) 5スレ目 147 ─────────────────────────────────────────────────────────── 久しぶりの一行告白 「あなたが永遠を生きるのなら、私もあなたの心の中で永遠を生きさせてください」 →妹紅 5スレ目 514 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「ふう,今日は疲れたな」 香霖堂の仕事(バイト)を終え、家路を急ぐ。白黒のお陰で突然残業となり、すっかり遅くなってしまった。 「妹紅のやつ怒ってるだろうなー、遅くなるって連絡できなかったしな…」 ひょんな事から俺と妹紅は今現在、同じ屋根の下で暮らしている。 妹紅と出会ってから随分経って、今ではすっかり漫才コンビと化していたりする。 慧音と一騒動あった時に(修羅場モード)お互い好きあっていることに気付き、紆余曲折あって、 てるよとえーりんとスキマ妖怪と鬼娘によるマッチポンプの結果、押せ押せムードの中で夫婦になった。 まあ結婚したからといって、相手に対する態度なんて変わらない。 妹紅は相変わらずの性格で、すぐに拗ねるし怒り出す。……ま、今となってはそんな姿も可愛いと思えるのだが。 「ただいま」 ドアを開けたら、玄関には頬を膨らませ「遅いよー、何してたのよー」と拗ねる妹紅が居……ない? 「あれ?」 予想外だ。しかし部屋に電気は点いているので、出かけている訳ではないようだが…… 「…ただいま?」 居間に入ると、妹紅は家事の途中だったのか割烹着姿のままでテーブルに新聞を広げて真剣に読んでいた。 「お帰り。ごめんね、気が付かなかった…」 「何をそんなに真剣に読んでるんだ?」 「これをね…ちょっと」 新聞の大きな見出しにはこう書かれていた。 『06年出生率は1.04 9年連続過去最低更新(文々。新聞調べ)』 「出生率の話題?」 「…そう…ね」 「…これがどうしたんだ?」 「…うーん、やっぱり私たちも子供作ること期待されてるのかなぁ…」 「…さあな」 窓の外やスキマから色々と視線を感じるが、ややこしくなりそうなので後で塩でも撒いておこう。 「…でも、蓬莱人に子供が出来たなんて話、聞いたことが無いし…」 「まあそれ以前に、俺たち二人が欲しいと思わなきゃなぁ…」 「…あ、あのね…、私は…欲しいと思ってるよ……あんたとの赤ちゃん」 以外な返答だ。結婚する前、妹紅は「しばらく2人でのんびり暮らしたい」と言っていたのに。 別にそれには俺は反対じゃなかった。だから妹紅は、しばらくは子供はいらないのかと思っていた。 「…妹紅…」 「…あ、あんたは…どう思う?」 「……ああ、妹紅が良ければ…生活に問題なければ…」 「わ、私の事はいいのよ。問題はあんたの気持ち。はっきり言ってよ!」 「…もちろん、欲しいさ。きっとかわいいと思うぜ?」 「…あんたに似たらそうでもないと思うけど?」 「ひどい事いいやがって…。俺、子供が男でも女でも可愛がってやりたいと思う」 「むー、子供だけ?」 「…妹紅のことも子供のことも…な」 「ん、よろしい」 そう言うと、妹紅はそっと抱きついてキスをしてきた。 「子供…作ろ…,今日なら…出来るかも…」 「ああ…」 ぎゅうっ…と強く抱きしめあう。二人の気持ちが溶けてあうような気がした。 「しかしあれだな、誘い方が大胆だな」 「…むー,うるさいわねぇ…ムード壊さないでよ…」 そう言ってもう一度キスをしてくる。 (中略されました。あえて説明するならもこたんにインしてフジヤマヴォルケーノしたら被弾した) …………………… コトが終わって、俺たちは布団の中で語り合っていた。全裸で。 「赤ちゃん…できたかな…?」 「さあな…。意外と簡単には出来ないもんだってのも聞いたことあるし」 「うーん。まあ、そうね…」 「まあ、頑張っていこうぜ」 「こ、こらっ…そんなことで気合を入れないでよ…」 さて、俺たちも出生率に少しでも貢献するべく、もう少し励むとするか…… それから数ヵ月後、もこたんは元気な男の子を産んでくれました。 夜泣きした時に俺と妹紅があやしても泣き止まないのに、けーねに抱かれたら一発で泣き止むのは核心犯だと思う。 5スレ目 825 ─────────────────────────────────────────────────────────── 妹紅「○○、そのさ・・・・ほら、チョコ」 ○○「あっ・・・・・・ありがと・・・・」 妹紅「そのさ・・・・・・普段、私家事とか慧音や○○にしてもらってるから、 チョコ1つまともに作れなくてさ・・・・・・・・その・・・・・・・買ったやつなんだけどさ・・・・・・・・」 ○○「いや、オレなんかが貰えるだけでも、マジ嬉しいんだからさ・・・・・・気にすんなよ・・・・・・」 妹紅「うん・・・・・・すまんな・・・・・・」 ○○「いや、気にスンナ、ありがとうな・・・・・・・」 6スレ目 758 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「む~~」 ぎゅぅ 「どうしたんだよ妹紅、今日はいつになくくっ付いてくるじゃないか」 「……別に何でもないよ、ただ今日はいつもよりくっ付いていたいだけ」 「むくれた顔して何もないは無いんじゃないのか?」 「なんでもないったら無い!!」 「でかい声出すなよ、耳が痛いじゃないか」 「……ごめん」 「恋人に何かあったのなら気になるからな、まあ本当に何もないならいいんだけど」 「……ちょっと慧音に嫉妬しただけ」 「慧音さんに嫉妬?そりゃまたなんで」 「だって慧音は優しいし他の人から慕われてるし胸だって大きいし 誰だって私と慧音の二人なら慧音のほうを恋人にしたいでしょ」 「ぷっ、あはは、あはははははははは!www」 「な、何で笑うのよ!!」 「そりゃ笑うだろう何かと思えば嫉妬だなんてな いいか、俺はたとえ優しくても、他人から慕われてても胸が大きくても妹紅、お前が好きだ」 ぎゅぅー 「……本当?」 「俺は割りと嘘つきだけどお前にだけは嘘をついたことがないんだよ」 「馬鹿、大好きだよ○○」 「ああ、俺もだ妹紅」 7スレ目 596 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「ねえ、○○。まだ寝ないの?」 「ああ、明日の昼までにやらなきゃいけないことがあるからな。 妹紅は先に寝てていいぞ。」 「夜更かしは体に悪いんだよ?体調崩しちゃう。」 「大丈夫だよ、慣れたから。妹紅も早く寝ないと体壊すぞ。」 「私は蓬莱人だから大丈夫だよ。」 しばらくして 「なあ、妹紅。なんで寝ないんだ?」 「・・・ん、なんでって・・・。」 「お前もう半分寝てるだろ、早く寝ろって。」 「・・・だって、今日は○○と、一緒に寝たいんだもん・・・。」 目をこすりながらかすれるような声で喋る妹紅 普段はそんなことは滅多に言わないのに、眠たい時っていうのは こうも人を変えるものかなのか。 「今日だけじゃないよ・・・、いつもいつも思ってるのに・・・、 ○○は遅くまでずーっと起きてるんだもん・・・。」 目は相変わらず半開きだが、顔はさっきと違い、下を向いていた。 「だから今日は、頑張って起きて○○と一緒に寝るんだから・・・。」 「やれやれ・・・。」 妹紅に近寄り、頭や頬をやさしく撫でる。 くすぐったいのか、目を細めている。 「わかったよ、一緒に寝よう。 仕事は早起きして終わらせれば間に合うからな。」 「・・・うん、じゃなくて、だめだよ。 私起きてるから・・・、気にしないで続けて。」 口ではそう言うものの、もう限界だろう。 「あー・・・、うん、ちょっと待てよ・・・。」 わざと考えるようにうなってみる、もちろん考えることなんてないのだが。 「そういえば、あの仕事明後日までだった。 いかんな、寝不足でうっかりしてたのかも。」 「えー・・・、なら起きてなくて良かったのに。」 「そうだな、しっかりと寝ないと。さ、妹紅、一緒に寝ようか。」 そう言いながら妹紅をおんぶし、布団まで歩きだす。 「ごめんな妹紅、いつも寝てあげれなくて。」 返事は返ってこなかった。どうやたこのちょっとの移動時間だけで眠ってしまったようだ。 起こさないように(起こせないだろうが)ゆっくりと寝かせ、その隣に俺も寝転んだ。 妹紅の体をできるだけやさしく抱きながら目を閉じる。 「・・・おやすみ、妹紅」 7スレ目 652 ─────────────────────────────────────────────────────────── 不死を受け容れる覚悟は未だ出来ない。それでも、君の傍にいていいだろうか? 7スレ目 826 ─────────────────────────────────────────────────────────── 藤原亭の居間。 そこには、二人の人間がいた。 こたつに足を突っ込んでる〇〇と、藤原 妹紅の二人が、だ。 「相変わらず、雪かきは堪えるわ……」 「〇〇は、体力不足。運動不足が祟ったんだよ」 男の俺がバテてるのに、女性の妹紅がサクサクと雪かきを進めているのは心に響いた。 ……運動、しなければな。 「スマンなぁ、男手の俺がしっかりしなきゃいけないのに」 「ふふ、そうだよ。しっかりしなさい」 そんな俺の様子を楽しげに微笑む妹紅。 ……だらしない男、と心の中では思ってるのかなぁ、裏がありそうで怖い。 じっと見詰め合ってるのも恥ずかしいので、みかんに手を伸ばした。 やはり冬は、こたつとみかんですよ。 「〇〇、雪は嫌いか?」 「は? あー、嫌いじゃないな。嫌いなのは雪かきで、雪自体は好きだ。 冬景色もいいし、雪を踏んだときの音も好きだし、たまに行われる雪祭りも楽しみだ」 茶の準備でもするか、とキッチンに向かう。 と、戻ってきて妹紅の変な行動に気付いた。 「……なぁ、もこ。何故、みかんの皮だけを剥いてるんだ、何も食べないんだ?」 「秘密」 そう言いつつも、みかんを剥く手を休めない。 ――いや、いつか食べるんだったら良いんだけどさ。 ミリミリ、というみかんを剥く音だけが、居間に響いていた。 慧音さんは、寺子屋で教師として働いている。 今日は忙しいようで、帰ってくるのは夜になるという。 「もこ、それ、みかん何個目だ?」 「九個目。たまに食べてるから、ここにあるのは七個分」 「あ、あぁ、そうか。うん」 やはり、妹紅の行動が謎だ。 何に使うか、さっぱり予想がつかない……。 考え事をしていたら、頭が急にガクッと下がった。 ……どうにも眠たいな。午後の雪かきもあるし、寝てくるか。 「スマン、もこ。俺は眠いから、午後の雪かきに備えて自分の部屋で寝てくる」 「……えっ?」 一応、言っといた方がいいよな。 眠っておきながら起きれずに、全部の雪かきを妹紅に任せるとか最悪だから、目覚まし二個くらい仕掛けとこ。 「まっ、〇〇っ!」 「ん~、なんだ、もこ。眠くて死にそうなんだが……」 「こたつで、寝たら? 私、時間になったら起こすし。ほら、ね?」 「……」 いつもの妹紅らしくもなく、ジェスチャー付きの必死の説得。 慧音さんが、言ってるのになぁ。こたつで寝るな、って。 だが、ここで揉め合って眠る時間が少なくなるのはキツい。 「解った。そうさせて貰う」 「ん!」 上機嫌な妹紅、何がそんなに楽しいんだろうか。 あまり意識せずに、こたつに入り、仰向けになった。 っと、午前の雪かきのせいか、すぐ眠れそう―――――― 「――ん」 〇〇が寝たかを確認する。 ……大丈夫、寝てる寝てる。 頷き、さきほどから剥いていたみかんの一つを持つ。 しかも、都合のいいことに〇〇は仰向けで寝ている。 雪かきに疲れて、午後に備えて眠ろうとするのは読めていた。 しかし、さっき〇〇が自室に戻ろうとしたときは、流石に慌てた。 剥いていたみかんが無駄になるところだった……良かった良かった。 みかんから、二房だけを取り、それを二つに分けて―― 〇〇の目の上に載せた、俗に言う『怒った目』のように。 「……!!」 あまりに声を出さないように必死に笑いをこらえる。 実にくだらないことをしていると思うのだが、人にやってみると意外と面白かった。 次は――みかんの向きを逆にして、『笑った目』にしてみようか。 この前、〇〇と一緒にテレビでこんなことをしている番組を見ていたのだ。 〇〇には、『くだらない』と言ってたが、正直、興味が涌いていた。 それで、今回を期に実行に移したわけだが、 「飽きた」 やはり、バリエーション不足が否めないか、すぐに飽きてしまった。 みかんを目に載せたまま、〇〇が好きといった雪景色を見ることにした。 「雪景色、か……」 私は〇〇とは違い、雪景色は好きではない。 やはり、こんな景色を見ていると辛いことばかりを思い出してしまう。 数えられない年月を経て、今に至るわけだが、辛いことばかりだった……。 だが、今は幸せなのかもしれない。 〇〇と知り合えて、本当に良いと思える。 ――――――――――――――――――――――――――――――そう、『今』は。 「っ!」 〇〇が、自分がどんな怪物かと知ったら? 〇〇が、自分をまるで化け物を見るような目でこちらを見てきたら? 〇〇が、自分のせいでこの家から逃げ出したら? 『未来』は、どうなるのか? 「――く、……ん、は」 いつかは、正体を知られるだろう。 それは、包丁で指を切った時かもしれない、誰かを守らなきゃいけない時かもしれない、輝夜と争ってる時かもしれない。 慧音からもその時を覚悟しろとは言われてるし、覚悟しているつもりだ。 だけど、だけど、だけど、その時が来るのが、本当に怖い。 いつまでも、知られる日を先延ばしできれば、と本気で願ってしまうほど――。 「……ふぅ」 最近、精神的に不安定だなぁ。 昔はこんなに弱くなかったのに……全て、こいつのせいだ。 と、〇〇の顔を八つ当たり気味に睨む。 要するに、みかんで『笑った目』にされている〇〇の顔を本気で睨んだ。 「ふっ、ふふ……あはははは、はは!」 すっかり忘れてたこともあり、自分の悩みが馬鹿らしく思えるほど、面白かった。 いつか正体を知られても、こいつなら笑い飛ばしてくれるかも、と小さな希望も心の奥底で生まれた。 「あー、あはは、面白かった……ん?」 一頻り笑った後、違和感に気付いた。 みかんで目、以外にもう一つ、顔のパーツ作れることに。 ――そうだ、唇だ、唇が足りないんだ!! 慌てて、みかんから二房取って、二つに分ける。 唇は、大丈夫か? 起きるのでは? 「……」 いや、大丈夫だ。〇〇は熟睡してる。目でやって大丈夫だったんだ、唇でも可能だ。 みかんの一房をゆっくりと、上唇へ――載せた。 上唇で出来たんだ、下唇でも可能!! そう自分に言い聞かせる。 急いている自分の鼓動を抑えながら、最後の一房を下唇へ近づけて行き―――― 食べられた、親指と人差し指ごと。 「――!?」 慌てて、口を抑える。まさか、起きてる!? しかし、起き上がる様子もなく、ひたすらみかん……と私の指を食む(はむ)。 「――!!」 無理矢理引っ張るわけにもいかず、口を開いたときに抜こうとするが、 〇〇の食べ方がキリンなどの草食動物みたいで抜く間がない。 こっ、こいつ、妙な食べ方をするーー!! 数秒間、抵抗せずに耐えていたら、みかんが食べ終わったせいか容易に指が抜けた。 「――はぁ、はぁ、……」 ある意味、輝夜との戦いよりも凄まじい戦いだった……。 こいつ、実は起きているのではなかろうか? と、肩で息をしていたら、〇〇に食まれていた親指と人差し指に目が止まった。 もし、私がこれを舐めたら、 ――――か、間接ディープキス? 「……」 〇〇の顔を覗く。 相変わらず、みかんで『笑った目』にしながら寝ている。 さきほどのは、みかんが口の上に乗ったから、自然と食べに行ったのだろう。 大丈夫、眠ってる。 慧音は、来る様子はない。 夜まで帰らないというのは、本当のようだ。 周りに人影はない。 「――」 だから、人差し指を自分で舐めようと、舌を出して、 「なぁ、もこ。何してるんだ?」 「――!!!!?!??」 慌てて、こたつの上のティッシュで指をふき取る。 「なっ、なんでもない、ただみかんをこぼしただけ!!」 ちら、と〇〇の顔を見たところ、相変わらず『笑った目』である。 よかった、見られてない――!! 「〇〇、起きたの?」 「俺か? まだ、寝てるぞ?」 ……意味が解らない、やはり〇〇は寝ているのだろうか? それとも、頭の方が、こぅ、危険なレベルに? 「まぁ、寝ているから言える言葉もある、ってことさ。 人の顔にみかん載せて笑っていると思えば、いきなり苦しんでる、と思えば唇の上にみかんを載せようとしてる。 俺の理解力では、お前さんの行動は俺の理解の範疇の外なんだが?」 「――!!!」 最初ッから、全て気付かれてた!! 「……ごめん、〇〇」 「は? 俺は寝てるんだ、謝られても困る。 それよりも、『苦しんでる』部分が気になるんだが?」 苦しんでる、部分が気になる? と、頭で反芻して、〇〇の言いたいことに気付いた。 今、〇〇は『寝てる』のだから何を言っても『夢』として扱うので、 私が苦しんでることを言ってはくれないか? と言うこと。 「……〇〇」 「ZZz?」 「眠りながらでいいから、聞いてくれると、その、嬉しい」 「……Zzz」 なんか真面目に聞いて欲しいが、これはこれで言い易い気がする。 けど、やはりムカムカする。 「今はまだ、〇〇に相談できない。ことが、重いから」 「……z」 「けど、いつか自分から話そうと思うから、その日まで、待ってて欲しいんだけ、ど」 「Z-zz-」 了解、と取っても良いんだろうか? 反応は解り辛いが、私が言いたいことは全て言ったんだ、それでいいや。 「一つだけ、もこに言っておく。無論、寝言でだが」 「ん、寝言じゃないんだ。じゃなくて、何?」 いい加減、その振りは無茶がないのでは? と思う。 「なんか苦しくなってきたら、俺を頼ってくれ」 「……え?」 「いや、役に立たんだろうが、妹紅のためになんかしてやる、ってだけだ」 体力もないし、知恵も持ってないがな、と付け足す。 だが、私の意識が向いてるところは、そんなところじゃなくて……。 「初めて、――」 「なんだ?」 「初めて、妹紅って、呼んでくれた」 今まで、もことか、もこもことか、呼んでたのに。 ちょっと、……いや、かなり、嬉しい。 「いや、『もこのためになんかしてやる』じゃあ、文章が小学生っぽいだろ? だから『妹紅のためになんかしてやる』っつって、大人っぽさを醸し出したわけだ。 東方プレイヤー以外で、『妹紅』を読める奴がいるとは思えないしな」 「だっ、台無し!!」 「ふはは、作者には『雰囲気を台無しにする程度の能力』が付いてるんだ。 Happy Endのまま終われると思うなよ、と」 か、感動していた自分が馬鹿らしくなってきた……orz 「……まぁ、いいや。いつか、頼むかもしれないから。 その時は、お願いする」 「おぅ、いつでも、何回でも頼んでくれ」 そう言って、体の向きを私とは逆に倒して、眠り始めた。 ――恥ずかしくて、茶化したのかな? そう考えると、やっぱり嬉しい、な。 「……?」 ふと、思いついた。 〇〇が体を倒したせいで、こたつには、もう一人分の間が開いてる。 そして、私の体は人一倍、小さい。 「ばっ、馬鹿馬鹿しい。そんな所に入る奴がいるか」 顔を背ける。 そんな、……破廉恥なことを私がやるはずがない。ありえない。 入れるからと言って入るなんて、ねずみみたいじゃないか。 ……チラ、と振り向く。 〇〇は眠りついたみたいに動く気配がない。 実は起きてた、という風な可能性も考慮できるが……どっちだか、私には理解しかねる。 今は、まだ午前の11時。慧音が帰ってくるには、まだまだ間がある。 相変わらず、人が来る気配など、なく。 「……ゴクッ」 やる事など、一つしかなかった。 「妹紅、〇〇、帰ったぞー」 雪を被った服を叩きながら、慧音が帰ってきた。 「遅くなって、すまな……ん?」 返事がないことを違和感を感じ、居間へと足を運んだ。 と、視線をこたつへ向けて、 「そうか、二人で眠ってたのか」 ふぅ、と慧音はため息を吐いた、 「そうか、眠 っ て い た の か ぁ。ふぅん」 ふふふ、と微笑む慧音、 まるで、眠っているのが好都合であるかのように――――だ。 「外は雪が積もりに積もってるおかげで、帰りが遅れて疲れてるのに、周りの住民から早く雪かきをするように急かされて、 身を粉にして雪かきをしてきたというのにお二人さんは、寝ていた、と?」 笑顔で、二人に近づく慧音。 その笑みは、二人を祝福するものではなく、簡単に獲物を捕らえられる悦びを内に秘めたモノだ。 「ふふ、ふふふ、ふふふふふふふふふふふふ」 笑顔のまま近づく慧音、その狂気に気付く妹紅、逃げ出した妹紅に気付くが慧音の凶行に気付かない〇〇。 そのまま近づいてくる慧音を目にして、〇〇は寝ぼけ眼なままに質問した。 「慧音さん、どうしたんですか? そんな飾りを頭につけて」 「ふふ、〇〇。この飾りをどう使うか教えて欲しいか?」 暢気に、どうやるんですか? と聞く〇〇。 ジェスチャーで『逃げて! 逃げて!』と告げる、色々と逃げ場のない妹紅。 ひたすら笑顔の慧音。 この三人が、どのような運命を歩むかなんて、簡単な話。 言わずとも知れてるし、既に解ってるだろう? それに、言っておいたはずなのだがな。 ――――作者には『雰囲気を台無しにする程度の能力』が付いてるんだ。 Happy Endのまま終われると思うなよ、と―――― うpろだ573 ─────────────────────────────────────────────────────────── ○「暑いねぇ」 妹「もう夏だからね」 ○「それ以外にも理由はあるけどな」 妹「私の所為って言いたい訳?」 ○「まあ妹紅は冬は暖かいけど夏になると暑くなるからな」 ガタッ! ○「うぉ!?」 妹「…………もういい、それなら帰る!!」 ○「お、怒るなって!悪かった、な?」 ガシッ! 妹「触るな!」 ガンッ! ○「まそっぷ!?」 ドサッ! 妹「ま、○○?ごめん大丈夫?」 ○「うぃ、大丈夫です それより俺もごめんな、少しふざけすぎた」 妹「私もごめん、痛くなかった?」 ○「全然、平気だよ」 ぎゅぅ 妹「あ、暑くなるよ」 ○「妹紅の暖かさだからいいんだよ」 妹「……馬鹿」 その後○○が熱中症と脱水症状で倒れたのはまた別の話 8スレ目 241 ─────────────────────────────────────────────────────────── 永「気分はどう?」 ○「永琳さん、おかげさまでもう大丈夫です」 永「油断は禁物よ、自分が考えている以上に身体に負担が掛かってるんだから」 一晩入院してなさい」 ○「ありがとうございます そういえば妹紅はどこに?見舞いに来てくれないし」 永「貴方を倒れさせたのに責任を感じたのか何処かに行ったわ 今頃はハクタクが探してるんじゃない?」 ○「そっか・・・そんなの気にしてないのに」 永「今は安静にして寝て明日にでも探しに行きなさい」 ○「そうですね分かりました」 輝「起きなさい」 ○「・・・んが?えっと・・・輝夜さん?でしたっけ、どうしてここに?」 輝「妹紅の男がどんな男か見ておこうと思ってね ふふふふ、なかなか良い男じゃない、妹紅も良い趣味してるわね」 ○「はあ、どうも」 輝「貴方を私のものにしたら妹紅、どんな顔をするかしら」 ○「え?ちょ!?」 輝「それとも貴方の子供を産むっていうのもいいわね お腹が大きくなった私を見たらどんな行動するかしら 今から考えるだけで楽しみだわ」 ○「じょ、冗談でしょ?」 輝「さあ、どうかしら」 ツツー ガッシャーン!! 妹「輝夜ーーーーーー!!!」 輝「濡れ場に入ってくるなんて無粋ねぇ そう思わない?○○」 妹「輝夜ぁ!○○から離れろ!!」 輝「嫌ねぇ、そんなに必死になっちゃって、冗談かどうかも分からないの?」 妹「さっさとどっかに行け!」 輝「怖い顔、それじゃあ○○またね」 ○「・・・・・・・・」 妹「・・・・・・・・」 ○「・・・・・・・・」 妹「何もされてない?」 ○「される前に妹紅が来てくれたから ありがとう妹紅」 妹「良かった、何もなくて」 ギュゥ ○「妹紅・・・俺が愛してるのは妹紅だけだからな」 妹「うん、知ってる」 ○「また、来るかもしれないから一緒に寝てくれるか?」 妹「・・・また倒れるよ?」 ○「その時は妹紅が看病してくれよ」 妹「うん分かった」 8スレ目 265 ─────────────────────────────────────────────────────────── ザーザーザー その日は朝から物凄い豪雨だった 慧音さんが言うにはここ数十年ないぐらいの雨だそうだ 「あーこの豪雨だったら慧音さん帰って来るのは無理だろうな」 ガラッ 「ん?慧音さんですか?」 「…………」 「なんだ妹紅じゃないか、よくこの雨の中来たな ……ああ、炎で雨を蒸発させてきたわけね」 戸をあけて入ってきたのは同居人の慧音さんではなくその友人の妹紅だった 「それにしてもどうしたんだよ、慧音さんなら寺子屋にいるぜ 多分しばらくは帰って来れないだろうけど」 「……そう、じゃあ丁度いい」 「?丁度いいってなにg」 ガッ! 最後まで言い終わらないうちに俺は妹紅に押し倒された 「ちょ、妹紅!?」 ジュウ! 「熱っ!?お、おい妹紅!腕が燃え!」 「大丈夫、腕が焼け落ちてもちゃんと面倒みるから」 笑いながら言う妹紅の目は既に正気の目ではなかった 「お前なにを!?」 「それに……何かあれば私の肝を食べさせれば不老不死になってずっと一緒」 楽しそうに笑う妹紅を見ながら俺は段々と意識が薄くなっていくのを感じた 8スレ目 343 ─────────────────────────────────────────────────────────── 拝啓、○○様。 梅雨明けが待ち遠しく感じられる今日この頃でございますが、如何お過ごしでしょうか。 先日は、急に友人と押しかける形になってしまい、大変失礼いたしました。 その折に御家族や里のお話をして頂き、とても楽しい時間を過ごさせていただいたことを感謝いたします。 ところで、×月×日の夏祭りにご予定はあるのでしょうか。 お恥かしい話ですが、あまりこのような祭りに参加した事がないため勝手が判りません。 もし不都合でなければ、○○様に夏祭りを案内して頂けたらと思い、この度は筆を執らせて頂きました。 お返事を、心よりお待ちしております。 かしこ 「里に来たのだから、直接言えばいいものを」 「慧音うるさい。直接会うと憎まれ口しか出て来ないんだよ」 はぁ、と慧音は溜息をついた。素直じゃないのは面倒くさい性分だ。 「うん?なんだ、好きだとか愛してるとかは書かないのか?」 「ばっ……そんな恥かしいこと書けるわけないだろこの馬鹿けーねーっ!!」 ちょっともこたん火が出てるよ火!! 「半分は冗談だ。だが、事情は理解したぞ妹紅。 この手紙を○○に渡してくればいいんだな?」 藤原妹紅(検閲削除)歳。 まだまだ恋愛に奥手であった。 8スレ目564 ─────────────────────────────────────────────────────────── ○「暑い、いやむしろ熱い、でも厚くはない」 妹「……何言ってんの○○」 ○「おーもこたんかー、いらっしゃーい」 妹「そのもこたんって呼ぶのやめてっていってるでしょ」 ○「いいじゃん別に減るもんでもないし」 妹「……燃やすよ」 ○「ただでさえ暑いのにこれ以上暑くなったら死んじまうよ って人一人増えるだけでもだいぶ室温があがるな」 妹「私自身も暑いからね、なんなら帰るよ」 ○「おいおい、せっかく来たのにそんなつれないこと言うなよ ゆっくりしていけ」 妹「うん、ありがと」 ○「…………」 妹「…………」 ダラダラダラダラ 妹「○○汗がすごいよ」 ○「うん、すんげぇ暑い……服脱いだら少しはましかな?」 妹「は?」 バッバッ!! ○「うーん、さっきより涼しいな」 妹「な!?ばっ!何で脱ぐ////」 ○「暑いから、そうだ!妹紅も脱げ!」 妹「はぁ!?な、何言ってんの!」 ○「まあまあ、そう遠慮しないで」←熱さで頭が茹だってます 妹「遠慮なんかしてない!ちょ!?もんぺ脱がすな!」 ○「はっはっは!よいではないかよいではないかー!」←熱暴走中 妹「ね、ねえしても良いけど夜に、ね?」 ○「ふははははは!それ(下着)をよこせ!俺は神になるんだ!」←楽しくなってきた ガラッ 慧「○○、妹紅がそっちに来てないk……」 ○「…………」←上半身裸 妹「…………」←下着のみ+真っ赤になって涙目 慧「…………○○」 ○「は、はい!なんでしょうか!?」←正気に戻った 慧「次の満月の日が楽しみだな」 バタン ○「よ、予告殺人か!?そうなのか?どうしよう妹紅!」 妹「自業自得、せいぜい掘られないように気をつけてね」 ○「畜生!なんて時代だ!」 8スレ目 613 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「こんにちはー、妹紅いるー? ……あれ、留守か? でも飲みかけの湯呑みがテーブルの上に……」 「あ、いらっしゃーい」 ,-へ, , ヘ /,ヽ_,_i=/__,」 / , `ー ヽ パカ / ∩〈」iノハル.!〉 <おいすー / .|i L ゚ ヮ゚ノiゝ_ //i i ir^i `T´i i| / " ̄ ̄ ̄ ̄ ̄∪ 「Σおおう!? 何で床から!?」 「ん、話してなかったっけ? この部屋の地下が倉庫になってるの」 「はじめて知りました」 「はっはっは、びっくりした?」 「うむ。……ところで妹紅、悪いがもう一回今のやってくれないか」 「?」 「『パカ、おいすー』っての」 「なんで」 「まぁいいから」 パカ もう一回 パカ もういっちょ パカ もうひとこえ p(ry 「あぁもう可愛いなぁ妹紅は!!!!」 「……」 「ありがとうゴメンナサイもう結構ですから炎やめてやめて炎」 「ったく。んで? 今日はどうしたの?」 「あぁ、偶然カキ氷セットとシロップがまとめて手に入ったんでな、持ってきた」 「おー」 「慧音も呼んどいたから。後から来るってさ」 「氷は?」 「勿論バッチリだ」 しばらく後に慧音も到着して、3人で美味しく頂きましたとさ。 8スレ目 620 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「また急病人の送迎? 〇〇も飽きないねぇ」 ここは迷いの竹林。 誰もまともに案内できない永遠亭、そこには如何なる難病でも治してしまう名医がいる。 そこに迷うことなく最短で案内できる例外、それが彼女だ。 「飽きはしないさ。 里に無事つれて帰れば、患者やその家族の笑顔が見れるからね」 そういう俺は、ごくごく普通の一般人。 強いて挙げるとすれば、弾幕に興味があることかな? ちなみに見る専門。 「〇〇らしいな。 その家族の話を聞きたいところだけど……」 紅妹がじっと正面を見た あぁ、永遠亭はすぐそこだ。 「ありがとう、中に彼を預けてくるよ」 病気になった近所のおじさんを、可愛いけど愛想の悪いブレザーうさぎに預け、すぐに紅妹のいる場所に戻った。 彼女は永遠亭に上がらない。 理由は聞いても答えてもらえなかった。 彼女なりの、事情があるのだろう。 外で、ぽつりぽつりとくだらない身の上話や、里の噂などを話すのがお決まりのパターンだ。 だが、別に濃厚な人生を歩んでいるわけじゃない。 この時間は楽しみだったが、正直もうネタがないのだ。 彼女と、もっと話したいのに。 「正直もうネタがない」 「〇〇は素直だな」 「と、言うわけで続きはweb……じゃなくて。 続きは俺の隣で見てくれないか?」 目をぱちくりさせる、察しの悪い妹紅に今度ははっきり伝えた 「君が好きだ。結婚してくれ」 9スレ目 986 ─────────────────────────────────────────────────────────── ○○「zzz」 妹紅「・・・じーっ」 そーっと、そーっと 妹紅「(メガネげっとー)」 すちゃっ 妹紅「ぉ・・・おぉ・・・」 ふらふら ○○「・・・いや、そこまで度はキツくないはずだぞ?それ」 びくぅっ 妹紅「う、うるさい!いっぺんやってみたかったのよ!!」 ていうか起きたなら言いなさいよー HAHAHA妹紅はお茶目さんだなぁ 慧音「おーい、お昼できたぞー」 そんなまったりした昼下がりをすごしたい 11スレ目 640 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「妹紅は僕の何十倍も生きてきて、色々なものを見てきたのだろうな。 高々数ヶ月一緒にいたくらいで君の事をわかったような口を聞くのはおこがましいことなのだろう」 妹紅「伊達に1000年以上も生きてないからね。あんたなんかとは背負ってきた物が違うのよ」 「でも、そんな僕だからこそ見えるものもある」 妹紅「何が言いたいの?」 「僕は火になりたい」 妹紅「…。今すぐ焼き払ってあげようか?」 「どんなに強い炎を操っても、決して暖めることの出来ない君自身の心。 僕はそれを照らす火になりたいんだ」 妹紅「ちょ…さっきから何言ってるのよ。ほ、本当に消し炭にされたいの?」 「人は君を妖怪呼ばわりするけれど、本当の君が心優しい少女のままであることは 誰よりもこの僕がよくわかってる。あの日、迷いの竹林で君に出会ったときからずっと…」 妹紅「…ばか。」 11スレ目 730 ─────────────────────────────────────────────────────────── 理由なんか無いんだ 君が好きだ、妹紅 11スレ目 993 ─────────────────────────────────────────────────────────── 妹紅が頑張ってチョコレート作ってくれた 俺の腕の中に押し付けるようにチョコを渡して 顔真っ赤にうつむいたまま足早に妹紅が去っていった 箱開けると中にはおそらくハート型であっただろう 溶けかけのチョコレートがはいっていた 一口食べるとほろ苦いビターチョコの味がした でもなんだかとても甘かった 12スレ目 470 ─────────────────────────────────────────────────────────── 妹紅と結婚して60年、妹紅は俺が惚れたあの時の姿のままだ 俺は醜い老人の姿になってしまった 私が死んだら、妹紅、お前の火で私を焼いてくれ そう言うと妹紅は切なげな表情を浮かべた あぁ、分かった。 そう一言だけ呟いて 12スレ目 544 ─────────────────────────────────────────────────────────── 永い永い夜、月は暖かな白光を地上に送りながら 人々は眠りにつき 人ならざるものは起き そんな理の中から少し外れた人間のお話。 ッ!・・・ 「もうやめてくれ・・・頼む・・・」 「ふん、誰が止めるか」 迷いの竹林、永遠亭と真逆の方向にある館 屋敷と呼ぶには小さすぎ、家と呼ぶには大きすぎる その館を優しく照らす月光を突き破るような男の声 「頼む・・・許してくれ・・・」 「だから誰が止めるといった、今宵は私が満足するまで止めんぞ」 男は両腕と両足を台に固定されていた 二つの長方形を並べ、その間を跨ぐように。 その横に立つ少女があった。 背から紅蓮のツバサを広げ、あたりを舞う火の粉の美しさに彩られているその姿は 火の女神と呼ぶに相応しい姿だった。 「もう・・・ッ!・・・限界だ・・・頼む・・・」 「嫌だ。何度いったらわかるんだ?お前は」 長方形の台の間から立ち上る炎は、焼くには足りず 温まるには強すぎる。 そしてその炎は男の背をジリジリと焼いていく。 炎は畳や壁に移らず、男の背のみを炙り続ける 「妹紅・・・俺が悪かった・・・反省・・・している・・・本当だ・・・」 「本当に?」 「あぁ・・・本当だ・・・だから炎で炙るのをやめてくれッ!」 「ふんっ」パチンッ 妹紅と呼ばれた少女が指を鳴らすと、男を炙る炎はフッっと蝋燭を吹き消すように消えた。 「ハァ・・・ハァ・・・」 男の荒い息遣いが静かな夜によく響く カチンッ、妹紅は男の体を拘束している4つの留め金を外した ゴロンッ、男の体は台と炎から開放されて背に焼け跡を残したまま畳へ転がった ドスッ 「ウッ!・・・カハッ・・・・」 いつの間にか男の傍に立っていた妹紅が男の腹部に思い切り蹴りを入れた 男の口からは赤黒い血が痰とともに吐き出される。 妹紅は男の肩を優しく抱き上げると 「ごめんね・・・焼け跡も綺麗に直すから・・・」 そういうと奥から小さなツボを手に戻ってきた その中に入っている白濁色の薬を優しく男の背に塗っていく。 すると瞬く間に男の背の焼け爛れは消え、もとの健康的な肌色へと戻っていく。 二人は優しく抱き合い、その姿を月光が優しく照らしていた・・・。 「こんなプレイもたまには悪くなかったけどな~」 「バカ、あれは永琳の薬があったからやっただけで本当はあんなこと」 「アドリブで蹴りなんていれちゃってさぁ、あれは結構効いたけど」 「あ、あれはだな・・・その・・・」 「まぁ、俺はよかったけどなー、妹紅のあの蔑むような目なんて特に」 「私はあんなこと二度とやらないからな」 「なんで?」 「そ、それは、お前の体に傷なんてつけたくないからだよ、たとえ全快するんだとしてもな」 「へぇ~、じゃあ今日は拘束して鞭で」 「お前私の話聞いてなかったのか?」 反省しない 12スレ目 870 うpろだ901 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「……○○、目が覚めた?」 開きかけた目をこする。 ぼんやりとした視界がだんだんはっきりしてきた。 ほのかに明るい月夜の竹林は、ひんやりと心地よい空気で満ちている。 頭の下には柔らかい感触。 目の前には慈しむように見下ろす妹紅の顔が見える。 「ああ。おはよう、妹紅」 そうだった。 数時間前、妹紅は俺を竹林へ呼び出し、 これから先の時間を共に歩んでいくことを懇願した。 それを受け入れた俺は彼女の肝を食べた。 蓬莱人になったという実感はまだ湧かない。 少なくとも、妹紅が俺を愛してくれていること、 妹紅を愛おしいと思う気持ちを胸の内に確かに感じることは、 ただの人間だった時と変わらなかった。 「気分はどう?何ともない?」 「うん、大丈夫。 もうすっかり元気だよ」 不老不死の副作用といったようなものではない。 別段そういったものはないということだった。 ただ、流石に人間一人分の生き肝を一息に食べるというのは あまりない経験だったので、少しふらついてしまったのだ。 まだ少し血の味が口に残っている。 無理をしてあまり心配をかけてもいけないので、 妹紅の膝枕で休ませてもらっていた。 いつの間にか眠ってしまったらしい。 「妹紅こそ、腹の傷はもういいのか?」 「粉々にされたってすぐに再生できるんだもん。 あのぐらいなんてことないよ」 ほら、と言って、妹紅は服をめくり 脇腹を見せてくれた。 確かに、自ら肝を取り出した時の 鮮血を噴き出していた大きな傷口は跡形もない。 「さて、と。これで俺たちは一蓮托生、 生きるも死ぬも一緒……じゃない。 どこまでも、一緒に生きていくわけだな」 身を起こし、妹紅に手を差しのべる。 妹紅はそれにつかまって立ち上がると、 俺を力いっぱい抱きしめた。 「うん……ごめん。 本当に、ありがとう。 これから、よろしくね」 話しているうちに、涙声になってくる。 俺が蓬莱人になってから、 妹紅は泣いたり笑ったりしながら 繰り返し謝罪と感謝の言葉を口にしている。 年を経ることなく生き続けることの苦しみを知っているから。 誰かに一緒に生きて欲しいという当たり前の願いが、 自分にとってはどれほど遠いものだったかわかっているから。 だからこそ、俺が受け入れたことに対しても 喜びと申し訳ないという思いが相まっているのかもしれない。 その思いの源となる不老不死の孤独を知り、 今の妹紅の気持ちを俺が本当に理解してやれるのは まだずいぶん先のことなのかもしれない。 それでも、今はただ妹紅を安心させてやりたかった。 しっかりと抱きしめてくる妹紅に負けないくらい、力を込めて抱きしめる。 「俺の方こそありがとう、 永遠を生きる伴侶に俺を選んでくれて。 ずっとずっと、よろしくな」 唇が重なる。 これから二人で生きていく誓いのキス。 「んっ……」 口の中にわずかに残っていた血が、 妹紅の舌で舐め取られる。 絡めた舌と舌の間で次第に鉄の味が薄れていった。 代わりに、甘く柔らかい妹紅の味が広がっていくような気がした。 夜明けも近づき、空が白んできた。 「……そろそろ帰ろっか」 どのぐらい抱き合っていただろうか。 妹紅はそう言いながら、名残惜しそうに身体を離した。 「そうだな。ここからなら妹紅の家の方が近いかな?」 「うん、明るくなる前に着けるといいんだけど」 竹の枯葉を踏みながら、歩き始める。 「今日は慧音さんが来るんだっけ?」 「いつも朝早くに来てくれるんだよね。 見つからないうちにこの服洗っちゃわないと」 妹紅は肝を取り出した時に、 俺はその肝を食べた時に、 服が血まみれになっている。 この格好で会ったら、慧音さんが取り乱しかねない。 そうこうしている内に、妹紅の家が見えてきた。 どうやら慧音さんより先に着いたようだと安心したその時。 「「「あ」」」 惜しい。後一歩だったのだが。 「な、二人ともどうしたんだその格好は! いったい何に襲われたんだ!? 傷は?大怪我じゃないのか、大丈夫なのか!?」 ……ああ、やっぱり。 俺は妹紅と一緒に慧音さんを必死でなだめることになった。 「―そうか、○○も蓬莱人になったのか」 怪我をしたわけではないことをなんとか納得させ、 血のついた服を着替えた俺達は、 事の次第を慧音さんに説明した。 正直、俺は娘との結婚を申し込むために父親と向かい合っているようで、 ひどく緊張していた。 「……よほどの覚悟があってのことだろう。 私から言うことは何もない。 ああ、ただ一つ……」 「一度でいい、妹紅を奪っていく君を殴らせろ」とか言われたら どうしようかと内心固くなる。 無意識の内に奥歯を噛み締めていた。 「式はちゃんと挙げるようにな。 二人とも、辛いことは多いだろうがどうか幸せになってくれ」 「慧音さん……」 「慧音……うん、絶対、幸せになってみせるから」 温かな言葉に、胸がつまる。 思えば幻想郷に迷い込んでしまって 右も左もわからなかった俺を助けてくれたのも慧音さんだった。 これまで妹紅を支えてきてくれたことも合わせて、 どれほど感謝してもし足りないぐらいだ。 「さて……お前たち、式はどうする? やはり守矢神社か博麗神社で神前式にするか?」 そうだ。そこまでは考えていなかった。 さてどうしたものか。角隠しを着けた妹紅も良いが、 ウェディングドレスの妹紅もさぞきれいだろうと思う。 「あ、あの、さ」 「ん?どうした、妹紅」 妹紅は、何だか顔を赤くしてあらぬ方を見ている。 何か希望があるのだろうか。 「その……私が、まだ普通の人間だった頃のやり方じゃ、だめかな?」 妹紅が蓬莱の薬を飲む前……ずいぶん昔だったはずだ。 百年や二百年ではなかったと思う。 「ふむ、確か外の世界では平安時代と呼ばれている辺りの前後だったな」 慧音さんは妹紅から聞いた話を書物と照らし合わせたのか、 その辺りまでは認識しているらしい。 当時の形式は通い婚とか、妻問い婚とか言ったろうか。 外にいた頃歴史の授業で習ったような気がする。 男が女の家を訪ねていって結婚が成立する、 というところまでは覚えているのだが。 「いや、私もちゃんとわかってるわけじゃないんだけどさ……」 「いずれにしても細かく突き詰めればきりがないだろう。 妹紅がわかっている範囲をできるだけ再現して、 足りないところは私が補うことにすればいいのではないかな。 ○○は異存はないか?」 妹紅の望みなら、俺に異存などあるはずもない。 「ええ、構いません。 俺も詳しくないから、慧音さんに色々お世話になると思うけど」 「よし、そうと決まれば善は急げだ。 私は妹紅の話を聞いて、色々と調べてから準備を始める。 そう時間はかからないだろうから、 ○○は今日のところは家に帰って、明日私の家に来てくれ」 「あれ?慧音、3人で準備した方がいいんじゃないの?」 「その時の楽しみにとっておいた方がいいこともあるからな」 妹紅は何となく釈然としない顔をしていたが、 平安式でなくとも経験がないことなので、俺もなんとも言えない。 今日は大人しく帰ることにした。 次の日。 「慧音さん?慧音さーん?」 言われたとおり来てみたが、返事がない。 「留守なのかな……うわっ」 向こうから、正月でもないのに大きな臼を担いで慧音さんがやってきた。 「すまない、待たせてしまったな。 さあ、入ってくれ」 「あの……慧音さん、その臼は」 「ああこれか?ちょっと借りてきたんだ」 何に使うのか聞きたかったのだが…… しかし普通一人で担いで運ぶものではない気がする。 臼を軒先に置き家の中に入ると、 慧音さんは座布団を出してくれた。 「さて、妹紅の時代のやり方で婚礼を行うわけだが、 まず大筋として、○○が妹紅の家を訪ねて婚姻を成立させる、と。 ここまでは良いな?」 「はい」 その辺りまでは何とか知っている。 「よろしい。さてその手順だが」 慧音さんは一枚の紙を取り出した。 「これにまとめておいたから、見ておいてくれ」 「え、これだけですか?」 「○○の方は特に服装をそろえたりしないからな。 訪ねていく側だから、基本的な作法を守れば 大してすべきことはない。 ……それとも、烏帽子が被りたかったか?」 烏帽子って……あれか、お内裏様が被ってるようなやつか。 「いえ、結構です」 「そうだろう。まあ、ちゃんとした服を着ていくんだぞ」 紙を広げてみる。本当にあまり内容がない。 「暗くなってから人に見つからないように女性の家を訪れる、 翌朝は暗い内にこっそり帰る…… この三日間続けて通うっていうのは?」 「三日続けて女性の家に通うことで、結婚が成立するらしい。 それまでは忍んでいた関係が、晴れて公のものになるわけだな」 「へー……この『あとあさ』は?」 「後朝(きぬぎぬ)か。 訪ねた翌朝、男性が帰る時の別れのことだな。 お互い和歌を詠んで別れを惜しんだりするそうだ」 和歌というと…… 「五七五七七のですか? 俺そんなのやったことないですよ」 「まあ、その辺は二人で裁量してくれ。 ところで、日取りだが……明日だな」 「え、明日!?」 それはまた急な話だ。 こういうことは吉日を選んで、とか そういうものじゃなかったのだろうか。 「その吉日が明日を逃すと当分ないんだ。 妹紅の了承はもらってある。 ……本当は手紙をやりとりするところから始まるようだが、 まあこれはいいだろう」 「わかりました」 既に二人で生きていくと決めている以上、 これは形式的なけじめのようなものに過ぎないはずなのだが、 そうとわかっていても緊張が抑えられない。 「○○」 「……はい?なんですか慧音さん」 呼ばれて、そちらを向く。 慧音さんは、真剣な目で俺を見つめていた。 「妹紅は……ただの人間だった時も、決して愛情に恵まれてはいなかったらしい。 蓬莱人になってからの孤独は言わずもがなだ」 俺の肩に、慧音さんの両手が置かれる。 「だが、これからはお前が一緒にいてやれる。 永遠に生き続ければ、いつかは孤独の時間を二人で過ごした時間が上回る。 ……私も、ずっと一緒にいられるわけではない。 どうか、これから妹紅が生きる時間を共に支えてやってくれ」 俺は、黙って力強く頷いた。 絶対に、妹紅を幸せにしてみせる。 何千年経っても、ここで慧音さんに約束したことは忘れない。 ついに、その日が来た。 今、俺は妹紅の家の前にいる。 ここまで歩いてくる一歩一歩が、 期待と緊張で宙を歩いているようだった。 そっと戸を叩く。 返事がないので、大きな音を立てないようゆっくりと開けた。 見慣れた妹紅の家の中。 薄明かりの中、カーテンのような仕切りが立ててある向こうに人影が見える。 「……妹紅?」 帳の向こうの人影が、わずかに動いた。 「……○○?来て、くれたんだね」 「ああ。今そっちへ行くよ」 仕切りの向こうに回りこんで、俺は息を呑んだ。 「……やっぱり、私にはあんまり似合わないだろ?」 妹紅は、十二単姿で座っていた。 いつものリボンは着けておらず、 きれいに梳いた長い髪は灯りを受けて艶やかに光っている。 恥ずかしそうにうつむいている様子は、普段の元気な姿からは想像もつかない。 「似合わないなんてそんなことない。すごく、きれいだ」 「……ありがと、○○」 そう言うと妹紅は、改まった様子で手をつき、深々と頭を下げた。 「……ふつつかものだけど、よろしくお願いします」 「……こちらこそ、よろしく」 俺も床に額をつけるように頭を下げる。 普段は軽口を叩き合うような仲なのに、やけに神妙になる。 頭を上げると何だかおかしくなり、二人で顔を見合わせて笑ってしまった。 「少し飲む?慧音が昼間持って来てくれたんだ」 「あ、もらおうかな」 場の雰囲気を和らげるためにも、少し酒を入れるのもいいかと思った。 が、ざっと見渡しても見当たらない。 「ごめん、戸の横に置いてあるんだけどこの格好だと動きづらくて……」 「……おーけい、今取ってくる」 どうも見た目以上に大変な服装らしい。 だが、それを差し引いても余りあるくらい、今日の妹紅は美しかった。 「ま、おひとつ」 ほんとは自分で注いだらいけないみたいなんだけどね、と言いつつ、 妹紅が銚子から酒を注いでくれる。 「……それにしても、よく色々と用意できたなあ」 妹紅の十二単もそうだが、調度品や今使っている酒器も、 なかなか立派なものである。 妹紅の杯に酒を注ぎながら、俺は感嘆の声を上げた。 「慧音があちこち駆け回ってくれたんだ。 阿求の家とか、マヨヒガとか」 妹紅はそう答えると小さな杯を干し、膳の上に置く。 なるほど、その辺りなら当時の雰囲気を持ちつつ 実用に堪えるものがありそうだ。 「ありがたいよね」 「ありがたいな」 まったく、慧音さんには何から何まで世話になりっぱなしだ。 色々と貸してくれたり、譲ってくれたりしたのであろう 稗田家やマヨヒガにもいずれお礼にいかねばと思う。 「ところで、さ」 さしつさされつして、銚子も空になってきている。 俺達はとりとめのない話をしながら過ごしていた。 「ん?何、○○」 「どうして、こういう風にしたいって思ったんだ?」 「……え?」 なぜそんなことを聞いたのだろう。 本当に、たわいない話のつもりだった。 「いや、俺はきれいな妹紅が見られて嬉しいけれど、 妹紅ってあんまり昔にこだわらない感じだったから」 妹紅はちょっと考えるような素振りを見せて、 少し寂しそうに笑いながら話し始めた。 「私って、あんまりおおっぴらにできない子だったみたいでさ。 母様と一緒の家に住んでて、一応暮らしの助けはしてもらえてるから すごく貧しいわけじゃなかったけど、母様はあんまり構ってくれなくて。 父様が来ることは全然なかったし」 ―もう、千年近く前のはずだ。 なのに妹紅は、まるで昨日のことのように話す。 「珍しく父様が来てくれた時に、お土産だよって、立派な絵巻物をもらってね。 それがさ、きれいなお姫様が、優しい男の人と恋をする物語だったんだ」 「…………」 「滅多にないお土産だったし、何となく印象に残っちゃって。 いつか私のところにも、好きになった男の人が訪ねてきたらいいな、とか思ってたんだ。 それに」 「……妹紅」 妹紅の目には、いつしかうっすらと涙が浮かんでいる。 「父様も母様も、もうずっと昔に死んじゃったろうけれどさ。 もしどこかで見ていてくれたら、私が結婚するの、喜んでくれるかなと思って。 それなら父様達にもよくわかるやり方の方が、もっと喜んでくれるかなって」 「妹紅っ!」 俺は、妹紅を抱きしめた。 彼女がずっと抱えてきた寂しさを、少しでも埋めてやりたかった。 「……ねえ、○○。父様達、喜んでくれるかな? おめでとうって、言ってくれるかな?」 俺の胸の中で、妹紅は子どものように泣いていた。 今はただ、こうして泣ける場所になってやることぐらいしかできないけれど。 「……ああ。きっと、心から祝ってくれてるよ。 でも、こんな頼りない婿で心配かけてないかな?」 「バカ……私には、最高の旦那様だよ。 …………ありがとう、○○」 いつか、寂しいことや辛いことを思い出さなくても済むくらい 彼女の時間を笑顔で満たしてやれるようになりたい。 「ん……○○?」 朝だ。 結局妹紅は、俺の腕の中で安心したような顔をして眠ってしまっていた。 「おはよう、妹紅。目が覚めた?」 「……ごめん。私、眠っちゃったんだね」 まだ少し眠そうに目をこすりながら、 妹紅はばつが悪そうに身を離した。 「気にすることないって」 「だって、ほらその……本当は、さ…… えと……ふーふの………いとなみ、とか……」 言っている妹紅の顔も真っ赤だが、 聞いている俺も顔が熱い。 妹紅の寝顔に見とれたりしていてすっかり忘れていたが、 言われてみれば本来そういうものだったはずだ。 「ま、まあ……明日もあるしな」 「そ、そうだよね!三日連続で通ってくるんだし!」 大事なところをうやむやにしてしまった気がするが、 ともかく通い婚一日目はこれで終了、ということだ。 さて、『後朝』とやらだが…… 「……ごめん妹紅。俺和歌とか全然詠めない」 「……いや、いいよ。実は私もさっぱり……」 実に気まずい空気だ。 「あ。要はお互いの気持ちを確かめ合えばいいんだよね?」 「まあそうだけど……わっ」 いたずらっぽく目を輝かせて、妹紅が再び俺に抱きついてくる。 「へへ。愛してるよ、○○」 「……俺だって、愛してるぞ、妹紅」 お互いの気持ちを伝え、キスを交わす。 まあ、俺達ならこんなものだろう。 優雅ではないけれど、幸せだ。 「さて、家に帰らないとな」 暗い内に帰るはずだったが、もう夜明けも近い。 戸口に向かって歩き出そうとした俺の服の裾が引っ張られた。 「……もうちょっと、一緒にいてくれないか?」 振り向くと、妹紅と目が合った。 寂しそうな、目だった。 「……そうだな。もう少し一緒にいようか」 流されているような気もするが、それでも構わないと思った。 三日目の夜が過ぎて、朝。 風呂敷包みを持った慧音さんが、 俺と妹紅のところに来た。 「……三日目の朝なわけだが」 慧音さんは半ば呆れたような顔でこちらを見ている。 「○○、お前三日間ずっとここにいただろう」 「あ、わかります?」 帰ろうとするたびに妹紅が寂しそうな顔をするので、 そのたびにもう少し、もう少しと伸ばしている内に 三日目になってしまった。 妹紅は時々いつもの服に着替えて家事を片付け、 俺も置いてあった服に着替えてあれこれ手伝ったので、不自由はなかったが。 ……一日目の保留事項も解決したし。 「昨日一昨日と○○の家を見に行ったが留守のままだったからな。 ……まあ私も薄々そんな気がしていたからこちらに来なかったんだが」 そう言って慧音さんは風呂敷包みを開いた。 「三日目には餅を食べるそうだ。作ってきたから食べるといい」 あの臼はこの餅を搗くためのものだったらしい。 搗きたてらしく、美味い。 「ともあれ、一応これで晴れて夫婦になったわけだ。 当時は妻の家で婿の面倒を見たわけだが……」 「わかってますって慧音さん」 「どっちがどっちをとかじゃなく、 私達はちゃんと二人でがんばって暮らしを立てていくよ」 「それならよろしい。 さて、三日目の朝が過ぎたらお披露目の宴を開くということだが、 ここからは幻想郷式でいくことになった」 幻想郷式というと……ああ、わかった。 「準備であちこち回った時に話が広まってな。 顔見知りの連中が博麗神社で宴会を開くと言っているんだ。 気の早い者はもう集まっているかもしれないな」 「……じゃあ、主賓ももう行かないといけないですね」 妹紅の手を取る。ぎゅっと握り返してくる感触が嬉しい。 「それじゃあ、妹紅」 「うん。行こうか、○○」 まず手始めに、門出を祝福してくれる人妖達のところへ。 二人なら、永い時も、どんな場所でも、きっと幸せに生きていける。 12スレ目 937 うpろだ908 ─────────────────────────────────────────────────────────── 妹紅が去った後に私は昔のことを思い出していた 一緒にご飯を食べたこと タバコの火がないからつけてもらったこと 雨の日に濡れて帰ったら乾かしてくれたこと 意外とどうでもいいようなことばかりが頭を巡るんだな と私は少し苦笑した 終わりを妹紅の火で終われるならそれもまた一つ 蓬莱の薬、というものがあったそうだが 妹紅も私もそれを望んだりはしなかった。 私は妹紅の永遠の中の一粒になれればそれでよかった。 いろいろ考えているうちに眠くなってきた 明日は妹紅が鍋を作ってくれるっていっていたな 楽しみにしよう。 輝夜「本当によかったのかしら?」 妹紅「なんのことだ」 輝夜「彼のことよ」 妹紅「蓬莱の薬ならいらない、前にそう話したはずだが」 輝夜「そう、それならいいのだけれど」 妹紅「なぜ私の心配をする、お前にとって私の悲しみは蜜だろう」 輝夜「たしかにそうかもしれないわ、なぜかしらね自分でもよくわからないわ」 妹紅「お前らしくもないな」 輝夜「そうね、でも貴女もらしくないわ」 妹紅「何故だ?」 輝夜「その頬の雫はなにかしら」 妹紅「ッ・・・」 輝夜「たまには泣いてもいいのよ」 12スレ目 583、584 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「さて、これが蓬莱の薬か」 森の奥、木々というある種の結界により閉ざされた空間。いるのは俺と一人の少女だけ。 そして俺の手元にある瓶にはすこしとろみのある液体が溜まっていた。 「そうよ」 「でもなんでまだとってあるんだ?これがお前の人生を狂わしたんだろ?」 「そうね、何でだろう。もったいなかったのかもしれないわ」 少女は俺から視線をそらし、明後日の方向を向いていった。 (嘘がばればれなんだよ) 俺は心中でつぶやいた。この永劫のときを生きる少女は寂しいのだ。 まわりの人は変わり、死んでいくのに自分だけ変わらずに行き続ける。変化し続ける世の中にある不変という名の特異点。 それで心の奥底では自分のように永劫を生き続ける人間を求めていたのだ。殺しあう相手ではなく、安心して傍にいられる相手として。 「んくっ」 俺は一気に瓶の中の液体を飲み干した。薬特有の苦い味が口の中に染み渡る。 「うげぇ」 俺は舌を出した、その刹那――。 ゴッ! 俺の米神に強い衝撃が走る。体が宙に浮き、木々へと叩きつけられる。 「うぐっ」 「……なぜ飲んだ、何故その薬を飲んだんだ!」 俺が顔をあげるとそこには怒りに染まった少女の顔があった。 「同情か?貴様、私に同情してその薬を飲んだというのかっ!」 胸元をつかまれ、締め上げられる。その真っ赤な瞳が俺を射抜く。 「もしそうだというのなら、私は貴様に永劫の苦しみを与えようぞ!」 おそらくその怒りは俺を想ってのことなんだろう。自分のような存在をもう生み出さないため、自分の味わった苦しみをもう誰にも味合わせないため。 優しいやつだな、お前は。 「バーカ、俺が同情で自分のみを差し出すかよ。これは俺のためだ」 「……っ!」 襟元を閉める力が緩む。顔に動揺の色が表れるも怒りの表情はいまだ消えず、である。 「お前とならさ、別に永遠に生きる苦しみも乗り越えられると思ったんだよ」 「……っ!?」 完全に俺の襟元から手を離し、うろたえる少女。顔が赤いのは照れであろうか。 「だーかーら、お前とずっといたいんだよ、妹紅。それこそ永遠にな」 そういって永久の歳月を変わらずに生き続ける少女、妹紅の唇にそっと自分の唇を押し付ける。 「――――!」 妹紅が顔を真っ赤にして俺の顔を遠ざける。 「おっ、お前、自分が何をしたか分かってるのか?私なんかのために――」 「阿呆。何度言わせるんだ、こっちだって恥ずかしいんだぞボケ。それにお前なんかじゃない、お前だから飲んだんだよ」 そう言って妹紅を抱き寄せる。 「うっ、うわぁぁぁぁ……」 妹紅は子供のように声をあげて泣いた。寂しかったのだろう。 それも仕方がないことだ、何せ今までは共に変わらずに生き続ける相手が殺したいほどに憎む相手だったのだから。 「これからはずっと一緒だぜ」 そう言って俺は妹紅の頭をそっと撫でてやった。 12スレ目 704 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「ん、なにこれ」 「と、とりあえず受け取ってくれ!」 そう言うと妹紅は小さな袋のようなものを 俺の胸に押し当ててきた 「お、おう・・・」 妹紅の気迫に押され受け取ってしまったが・・・ これはなんだろう 「開けてもいいか?」 そう聞いたのがまずかったのだろうか 妹紅は少し俯いた後に足早にどこかへいってしまった 「なんか悪いことしたかな・・・ とりあえず開けてみるか」 チョコレート あぁなるほど・・・俺は理解した 今日が2月14日であること 昨日妹紅が徹夜で台所にいたこと 全て繋がった おそらくハート型だったのだろう、少し溶けて形が崩れたチョコが入っていた 「・・・・・・苦いな」 ビターな大人の味がした でもどこかほんのり甘かった 12スレ目 901 ─────────────────────────────────────────────────────────── 炬燵と蜜柑。 これほどまでに仲睦まじい存在は、そうは無い。 最後の蜜柑に手を伸ばす。 その手が、向かいに座る少女の手とぶつかった。 「…これは俺の蜜柑だ。その手をどけるんだ、妹紅」 「いいや、これは私の蜜柑だ。 そっちこそ女の子に蜜柑ぐらい気持ちよく譲れよ、○○」 「お前、俺の何十倍年上だよ…」 「私は永遠の十六歳だぞ?」 「ともかく、この蜜柑は俺のだ。 まだ台所にあるから、持ってこいよ」 「やだ、寒い」 「お前火使えるじゃん?」 「疲れるもん」 「どっかの姫様みたいになってきたな…」 「う、その扱いだけはやめてくれ」 「んじゃ蜜柑もってきてくれ」 「うー…そうだ、一つゲームをしよう」 「何だ?花映塚か?」 「その蜜柑を交互に食べさせて、最後の一房を食べたほうの負け。 もちろん蜜柑を剥く前に決めるんだぞ?」 「よし、いいだろう、先手後手は妹紅が選んでいいぞ」 「それじゃあ、先手で!」 少女皮むき中… 「半分だけ剥いておこっと…結果が見えちゃつまんないもんね」 「よし、じゃあまずは妹紅が食え」 「違う違う、食べるのは○○だよ。 はい、あ~ん」 「え、お、おい」 「さっき言ったでしょ、『その蜜柑を交互に食べさせて』って」 「う、そういえば」 「ほら、あ~ん」 「あ、あ~ん」 もぐもぐ 「ほら、次は○○の番。 あ~ん」 「お、おう」 もぐもぐ 「ん、おいしい。 それじゃ、はい、あ~ん」 「あ~ん」 ぽいっ 「んぐ! お、奥のほうに蜜柑を放り込むな!」 「あはは、ごめんごめん」 「そんじゃこっちも!」 ぽ~ん 「むぐっ」 「おーナイスキャッチ」 「もー、それじゃこれでどうだ!」 シュッ! 「むぐっ!早い、早いよ!」 「あはは、やるじゃん」 などと繰り返しているうちに、残り四分の一となった。 「これで決着、皮剥くよ?」 ぺりぺり… 出てきた房は、3個。 「くっそー、俺の負けかー」 「あはは、大勝利~」 ぽいっ ぱくっ 「むぐむぐ…せめてしっかり味わってから行こう…」 ぽいっ ぱくっ 「もぐもぐ…まぁまぁ、ちょっと暖かくしてあげるからさ」 最後の一つを妹紅は放り投げた。 ぽ~ん 天井スレスレまで放り投げた蜜柑を、必死で追う。 「おい高いっ…!」 目の前にあるのは、蜜柑ではなく、炬燵から乗り出してきた妹紅の顔。 そのまま唇同士が触れ合った。 「も、妹紅?」 「ふふ…ほら、早く蜜柑持ってきてよ、耳まで真っ赤にゆだってるうちにさ」 「っ!…わかったよ」 お前だって真っ赤じゃないか、と思ったが、可愛いので言わないことにした。 炬燵と蜜柑。 これほどまでに仲睦まじくさせる存在は、そうは無い。 13スレ目 166 うpろだ955 ─────────────────────────────────────────────────────────── #慧音5 うpろだ989~の派生 「ありゃ?・・・おかしいな」 釣竿が無い 確かにここにおいてたはずなんだが あー・・・もしかして 頭の中には、一人の人物と、ある場所 自信を持って、その場所へと出向く事にした やはり、いた そこは以前一緒に釣をした場所 そこは、彼女と 「もーこうっ」 「ひゃぁぁっ!?」 ふざけ半分で、後ろから抱きついた まぁ俺としては慧音ほどは無いとは言え妹紅の幼さを残して成長を止めてしまった禁断の果実の方が好みな訳でして あわよくば、いやいや、あくまで事故ですよ?ははは、そんな後ろから鷲掴みとか、焼かれちゃいますって 「だーれだ」 「え、あ、○、○○!?って手の位置が違うでしょ!」 「ははは、ついうっかり(棒読み」 「い、いつまで触ってんのよ!ばかっ!」 俺は潔く手を離した 恐らくこれ以上からかえば、レアな焼死体が・・・ 「勝手に釣道具を持ち出した仕返しだ」 「それは、いや、でも」 「それは、今の胸の分でチャラ、と言う事で」 妹紅は顔を真っ赤にして、そっぽ向いてしまった 「ざ、残念だったね、慧音ほど無くってさ・・・」 ぐはぁ こ、これはなんと言う威力の高さ 個人的な意見だが 胸が小さいから好きなわけではなくて 胸が小さい事を気にしているところがまたストライクなのではないかと しかもそれが普段は気の強い感じだと更に! 「そ、そうか・・・俺はお前ぐらいのほうがいいかと」 「・・・な、なんだ、ちっさい方が好いって?変態かよ」 「おいおい、そんなこと言ったらお前は変態にしか需要がないことになるぞ」 何でこんな話をしてるんだ 真っ昼間からこんな所で しかしフォローのつもりが変態扱いかよ、酷いじゃ無いか妹紅 「こ、この話はここまで!なんか変な方向に行きそうだからっ」 「同意、変な方向に行きそうだ」 危うく違う板の話になる所だった 「それで・・・釣れたのか?」 「・・・餌とか、結び方とか」 要するに何にもわからないってことか 俺に声掛けりゃいいものを・・・ 「オーケーオーケー、じゃあまず仕掛けの作り方から説明しよう」 ~かくかく、しかじか~ 「結び方はこの二つ憶えておけばいい、重りはウキにあわせて、後は・・・」 妹紅は熱心に話を聴いている だから俺も、この機会に色々と教えておく事にした 「餌は?」 俺は朽ち木をひっくり返して、その下に居たミミズを釣り針に引っ掛けた 「こういうのでもいいし、川に入って蟲を取るでもいいし、まぁ蟲なら何でも食べるだろうから」 そういえばこいつには伸べ竿しか教えてないなぁ でも俺もこれ使うしな・・・ ああ、そういえば向こう岸は竹林じゃ無いか リュックから鉈とナイフを取り出して 「今教えたとおりに釣ってみろ、俺はちょっと向こう岸に行ってくる」 「結構、あるなぁ」 なんともでかい竹林 鋸があれば楽だろうに、鉈じゃ面倒だが・・・まぁいい 自分の腰ぐらいの高さの所を鉈で、何度も打ちつけた 十や二十では断てない 反対側に回って鉈を打ちつけた それから数分 半分以上切れて、今にも倒れそうだ 「最後はーかっこよくー」 鉈を地面においた 少しだけ距離をとって、蹴った めきめき、がさがさがさ 葉音を立てて、竹は折れた 「さて、上の方の葉をおとさにゃ」 がさごそがさごそ 「よう妹紅、釣れたか」 「○○・・・何とか一匹」 バケツにはいいサイズの魚が泳いでいる 「おお、やったな」 「それ何?」 「ん?ああ、お前の釣竿だ」 「えー、この竿の方がいい」 「おま、初心者は竹竿と相場が決まってるんだよ、ってかそれは俺の竿だ」 まだ乾燥させたり先っぽを変えたりはせなんが、まぁこのままで釣れなくも無い 「・・・幻想郷って言うくせに棲んでる魚は外と変わらないのな」 「へぇ、そうなんだ」 住んでる人はこうも違うのに 自然ってのは変わりようが無いのかね 「仕掛けの作り方も憶えたし、自分の竿もできた、これで一人でも釣が出来るな」 「え・・・うん、そう、だね」 「・・・日が、暮れてきたな」 俺がそういうと、妹紅はバケツを川にひっくり返し、魚を逃がした 「よかったのか?」 「うん、だって最低3匹は釣らないと・・・一匹じゃしょうがないでしょ」 「・・・帰るか」 道具を片付けて、帰路につくことにした 夕日が、沈もうとしている 里を歩く、もうすぐ家に着く そうすれば慧音が迎えてくれて、温かい夕食、一人ではない― 「ああっ、あんた!そこの家の人だよね!?」 「え?俺?」 面識の無い・・・いや、確か 「ああ、お向かいさん」 「いやぁ最近姿を見ないと思ってたんだけどねぇ・・・これ、あんたのだろ?」 彼が差し出したのは、俺の財布 「外の物みたいだけど里に落ちてるのはおかしいなって思ってね、そういえばあんたは外から着たんだったなって思い出してね」 「あ、ありがとうございますっ!」 嗚呼、俺の財布 中身を見ると、家の鍵も、全財産もまったく無事だった 何か礼を、と言うと お向かいさんだしね、袖振り合うのがなんとやら と言って家に帰ってしまった 俺も妹紅もぽかーんと固まっていた 俺は固まったままだったが、妹紅に服の端を引っ張られて、我に帰った 「ねぇ○○・・・今日は、帰ろうよ」 「・・・そう、だな、慧音にも報告しないといけないし」 「そうか・・・よかったな○○」 「本当に・・・世話になった、ありがとう」 慧音に事の成り行きを説明しつつ、最後の晩餐を、味わっていた また明日から一人の食卓になるかと思うと、寂しかったが、元に戻るだけだと思うことにした 「寂しくなるな・・・たまには遊びに来てくれ、いつでも歓迎する」 「ああ、寂しくなったら遊びに来るよ」 嘘だ、俺はもうここには来ないだろう たぶん、この機会にきっぱりと、分かれてしまわないと 俺には、ここは暖かすぎるよ 居心地がよすぎて、駄目になってしまう 「嫌だ」 「・・・え?も、妹紅?」 「○○は、ここにいて欲しい、よ」 ずっと黙っていた妹紅が、消え入るような、だが確かにそう言った 「!?ごめん、私、○○・・・ごめん」 勢いよく飛び出していった、いったい何処へ行こうというのか 「・・・すまないな○○、あの子はお前のことを」 「解ってる・・・こういう時、追いかけなきゃならんのだろうな、男だし」 「ああ、行ってこい」 俺も、家を飛び出した 彼女の姿は、すぐそこにあった 遠くに行って無くてよかったと、思った 「妹紅」 俺の声に身体を震わせて、振り返った 「○○・・・頭冷やしたよ、もう大丈夫・・・大丈夫」 タバコを、吸っていた そういえば俺が来てからは一度も吸ってなかったな、なんて思い出した 俺はそのタバコを取って、靴で火を消した 「なっ、なにす「強がんなよ、ほれ」 俺の胸に飛び込んできなマイハニーといった感じで両手を広げて だが妹紅は来なかった 「ば、か・・そんな優しく、しないで」 ぽろぽろと、涙が、零れていた 俺と妹紅の距離、一歩でも歩けばぶつかるほど近いのに だから、俺が、その一歩を踏み出した 「なぁ妹紅、俺はお前のこと大好きだ、お前は、どうだ?」 「ばか、私のほうが、ぜったい大好き」 「・・・いや、俺の大好きは半端無いぞ?」 「私の好きはこれ以上がないもん」 「ああ、それなら互角だな、俺の負けはなさそうだな・・・勝ちもなさそうだ」 より強く、抱きしめた この腕の中の少女が、あまりに愛おしくて すると、彼女の方から抱き返してきた 細い腕が、俺の背中に回されて 「ねぇ○○・・・愛してる」 「ん、おれも、愛してる」 俺たちは、初めてのキスをした 甘酸っぱいとかレモンとか、そういうのは全然解らなかったが すごく、暖かい気持ちになることが、できた end 13スレ目 498 うpろだ1000 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「まぁ、俺は永遠には生きられないけど、亡霊になってでもお前を想い続けるよ」 13スレ目 626 ─────────────────────────────────────────────────────────── 妹紅「ただいまだお~」 ○○「おっお帰り~」 妹紅「って何で○○が先に帰ってきてるのさ?」(なっ!なんで○○が先に家にいるんだお!?) ○○「そういう妹紅こそ学校は?まだ昼前の11時だぞ」 妹紅「っそれは……」(○○に会いたかったから……) ○○「……まぁいいさ、どうせサボってきたんだろ?」 妹紅「……ああもう!サボったさ!学校行っても慧音がうるさいだけだし」(いいんだお!そのうち学校中退して○○と結婚するんだお!) ○○「いいか?慧音だっていつまでもいるわけじゃない、いつかはお前がちゃんとしないといけないときだったあるんだぞ」 妹紅「へいへい、○○ー今日のお昼ご飯何~」(○○の作る昼飯wktk) ○○「おまえってやつは……今日は焼きそばのつもりだったんだが、妹紅がいるなら妹紅が作ってくれよ」 妹紅「はぁ!?なんで私が作らなきゃいけないのよ!いいから早く作ってよ」(いやだおー○○の料理が食べたいお) ○○「わかったよ、焼きそばでいいんだな?その代わり夕飯は妹紅が作れよ」 妹紅「……わかったよ」(○○のために腕を振るうお!) 慧音「……で?うちに来たわけか」 妹紅「というわけでおいしい料理を教えてください慧音先生」 慧音「学校さぼっておいて言うセリフじゃないだろう……」 妹紅「お願い慧音!私に……私に力を!」 慧音「……コロッケでいいな?」 妹紅「ありがとう慧音先生!」 ○○「お帰り~どこ行ってたんだ?」 妹紅「ん、その辺をぶら~っと」(慧音に料理を教わりに言ったなんて言えないお……) ○○「その袋は?」 妹紅「ああこれはだな、食材だ」 ○○「まじか! 俺、妹紅の作る料理一回食ってみたかったんだよな~」 妹紅「じゃあ早速つくるから」(絶対においしいって言わせるんだお!) ○○「で俺はキッチンに入れないのか?」 妹紅「何作るかは秘密だお!」 ○○「お?」 妹紅「な、なんでもない!だから入ってくるなよ!!」(危ない危ない……) 妹紅「○○夕飯が出来たぞー!」(上手くできたお、これなら○○も……) ○○「待ってました!おっコロッケか。俺コロッケ大好きなんだよな~」 妹紅「さぁ座って座って」(早く食べるお!) ○○「おお、わりいな妹紅」 妹紅&○○「「いただきます!」」 ○○「どれどれ妹紅の作ったコロッケの味はっと……」 妹紅(ドキドキワクワク……) ○○「お、これおいしいな!よくできてんじゃん!」 妹紅「あ、ありがとう○○……」(やったお!うれしいお!) ○○「も、妹紅何も泣かなくても……」 妹紅「嬉しいんだ、○○にそう言って貰える事が……ぐすっ」 ○○「妹紅……おし、妹紅少し話があるんだがいいか?」 妹紅「ふぇ?あ、何○○?」(何だお?) ○○「俺はお前のことが好きだ!だから俺と結婚してくれ!」 つ結婚指輪 妹紅「こ、これ結婚指輪!?」(けけけけけけけけけk結婚!?わ、私と!?) ○○「ああ、今日までがんばって稼いできたお金で買った指輪だぞ、きっと妹紅に似合うと思って」 妹紅「○○……私も○○のことが好き。だからとても嬉しい……」 ○○「ありがとう妹紅」 妹紅「ふふっ、何か照れるね。…………ねぇキスしてもいい?」(チャンスだお!このすきにキスするお!) ○○「ああ……ほら」 妹紅「じゃあするよ……」 慧音「お邪魔するぞ~妹紅どうだ上手く作れ……た……か……?」 ○○「あっ」 妹紅「ふぇ!?」 慧音「あ……これは……そのだな……すまなかった!」 タッタッタッタッタッ ○○「……」 妹紅「……慧音自重……」 ○○「……ふふ、あははははは!」 妹紅「あははははは!け、慧音ったら、ふふふふふあはははは!」 ○○「あ~よく笑った。これからもよろしくな妹紅」 妹紅「うん!」 うpろだ1091 ─────────────────────────────────────────────────────────── 人里の寺子屋。 上白沢慧音は今日も今日とて子供らを前に教鞭を振るっていた。 しかしどうしたことか生徒たちの様子がおかしい。 そわそわとしてまるで落ち着きが足りないのだ。 普段であればすぐに慧音の頭突きなりなんなりが飛ぶのだろうが、それもない。 何故か? 彼女自身もその理由をよく判っているがために。 そして『それ』はここ暫くの恒例であり、不可避のものであるからだ。 「……一旦ここまでとする。昼食を摂ったら続きを――」 『それ』は定期的に訪れるものではないが、予兆は存在する。 今回の例でいえばそれは―― 新しく居を構えたある家屋の扉が今朝方、轟音とともに吹っ飛ばされたことだったり。 その家に住むことになった若者の名前を罵る少女の怒声だったり。 竹林に向かって飛んでいく火の鳥などがそうだった。 「うわーーーーん! けーねーーーーーー!!」 まさに天災。 人知を超えた理不尽な暴力。 『それ』、その名を夫婦喧嘩という。 そしてその片割れ藤原妹紅、堂々の襲来である。 その瞬間を持って平和な昼下がりは消し炭と成り果てた。 「……ああ妹紅すまないが今私は授業中だ忙しい。帰れ」 「休憩って言った。それより○○が非道いんだ!」 待ち構えてやがったのか。 そのまま二人分の昼食を取り出す妹紅。 逃がす気はさらさら無いようだ。 慧音は溜め息を深々とつき、仕方なしに茶を用意した。 思いっきり渋く。そして熱く。 酒があれば一番よいのだが、生憎と真昼間なので断念。 素面で愚痴や惚気に付き合うのはまさしく苦行であり、それが両方同時ともなれば拷問に近いというのに。 「で、今度は何事だ。また味噌汁のダシを変えたのに気づかなかったか」 「そんなんじゃないってば!」 味噌汁のダシ云々は前々回の痴話喧嘩の理由だ。 その騒動は幻想郷を局所的に巻き込み、ついには「出汁事変」として博麗の巫女すら首を突っ込まざるを えない状況になったが割愛する。 それを指して「そんなん」とは、すわ一大事かといえばそうではない。 本人らにしてみれば一過性のものに過ぎないのだ。 たとえ周囲の被害がどれだけ酷く、尾を引くものだったとしても。 「……あれから暫くは、味噌汁が甘ったるく感じたぜよ」 生徒の一人が苦々しく呟いた。 部屋にいる生徒は半分ほど。 我先にと避難した者と、怖いもの見たさに残る者。 好奇心で猫が死ぬなら野次馬根性で人死にがでても可笑しくはない筈だが、物好きなことである。 「もう駄目だ、今度ばかりは私たちお終いかもしれないっ」 よよよ、と泣き崩れる妹紅。 しかしこれも毎度のことだ。 演技ではなく本気でやってるのも毎度のことだ。 慧音はそうかそうかと適当に相槌を打ちながら、出された握り飯の包みをほどく。 丸い塩むすび、所々に具のついたそれはどうやら人の顔を模しているようだ。 「本当は○○に渡そうと思ってたんだけど……。もう、あんなヤツのお昼ご飯なんて知らないんだからっ」 限定してるのは無意識なのか否か。 間抜け面の顔むすびに慧音は怨嗟を込めて齧り付く。 鼻にあたるだろう部分を上に、半分ほどを一口で頬張る。 あー、と残念そうに声をもらす妹紅。 どうしろってんだ。 「ん、コホン。話は今日の朝までさかのぼるわ」 早朝、人里の端っこにある○○の家の中。 小鳥の囀りに目を覚ました妹紅は、甲斐甲斐しく朝食を用意するべく布団を出た。 ――ここで、愛しい人の温もりに溢れた布団と腕枕の抗い難い魅力を身振り手振りつきで力説されるが省略。 朝餉を作り昼食の弁当を包み終え、いざ○○を起こそうとしたところでふと思いつく。 今日は少しお洒落をして朝から驚かせてやろうと。 どんな反応をするものか、期待に胸を膨らませ目尻をだらしなく下げながら猫撫で声で朝を告げた。 しかし揺り起こされた○○は習慣となった朝の挨拶を返すだけ。 ――この朝の挨拶「おはよう、愛しい妹紅」を物真似で再現されるが、浸りすぎの為か全く似てなかった。 何か気づかないかと匂わせてみても寝ぼけ顔で呆けるばかり。 10秒で期待は落胆に、落胆は憤怒に変わった。 「○○のっ、バカーーーーっ!!」 罵声とともに繰り出されるは少女の怒りを乗せた一撃。 季節は春、紅葉が舞うには早すぎる。 因ってパーではなくグー。 乙女心の右拳が盛大に炸裂した。 「……と、いうわけなの」 慧音はそーなのかーと適当に聞き流しつつ、胃から込み上げてくる何かを茶で流し込む。 火傷しそうな程に熱かった筈のそれはすでに飲み頃に冷めていた。 「それで朝に家を飛び出して……今まで何をしていたんだ?」 「輝夜んトコで暴れてきた」 長きに渡る因縁がもはやただの八つ当たりとは。 対象が眼中に入ってない分、輪をかけて非生産的だ。 そんなことしてるから輝夜は○○にちょっかいを出すのだろうか。 「ちなみに、そのお洒落というのは……」 「見て判らない? リボンを増やしてみたんだけど」 なるほど、彼女の長い髪先にアクセントとしてつけられているリボン。 それが一つ? 増えていた、らしい。 とはいっても容姿が劇的に変化するわけでもなし。 そもそも結わえるのなら一つで十分、二つ目に意味など特にないのだから幾つにしたところで言わずもがな。 この場にいる全員が言われたところでサッパリだった。 たとえ気が付いたところでどんな感想を抱くにも至らないだろうが。 「他には?」 「それだけだよ」 判るか、そんなモン 「私、○○に嫌われちゃったかな……」 先程までとはうってかわってしおらしく呟く。 自分の無茶苦茶っぷりに気づいた、訳ではない。 張本人に一発、輝夜相手にスペカを6枚ほど、そして慧音に愚痴(惚気)を聞かせたこの時点で鬱憤が綺麗さっ ぱり晴れただけのこと。 出すだけ出してしまったあとは、平時であれば四六時中べったりな○○がいなくて寂しくなっただけだ。 しかし自分から会いに行こうとはしない。 何故ならば、今この状況も、そしてこの後の展開も、全て予定調和に過ぎないのだから。 彼女にしてみればそれは王道。 周囲にしてみればとんだ茶番。 「妹紅ぉおおおーーーーーー!!」 この状況を作り出した原因にして、この場を収束させうる唯一無二の登場人物。 足音も高く、○○。堂々の見参である。 ああ、しかし心せよ。 物事が好転するわけでは決してない。 昼下がりの愛憎劇、『憎』が消えたらどうなるか? ひたすらのラブシーン、致死量の『愛』がばら撒かれるのだ。 「探したぞ妹紅っ、こんな所にいたのか」 探すも何も妹紅の駆け込み先などたかが知れている。 慧音相手に泣きつくのが大半で、自然と寺子屋もしくは彼女の自宅に高確率で行き着く。 探しているというのは建前で、彼女の機嫌が落ち着くまで時間を潰しているというのが本当のところではない かと思われるが、何分この二人のことだからわからない。 妹紅曰く「二人の思い出の場所」とやらを巡って一人で気分を盛り上げていたとしても可笑しくはない。 「っ……何よ、今さら来てどういうつもりっ」 口調だけなら勇ましい。 しかし○○に背を向けた妹紅、頬がぴくぴくしている。 いい感じで心細くなってきたところに図ったように現れた想い想われ人、内心は嬉しさヴォルケイノなのだ。 「私の……気づかなかった○○なんて、もう知らないんだからっ」 語尾に八分音符が付きそうなぐらい跳ね上がっていた。 もう媚び媚び大喜びだ。 「わかっていたさ! リボンが増えていたことなんて、一目でわかった!」 気づいてたんかい。 この女にしてこの男ありというほかない。 お互いにのみ発揮される観察眼には脱帽である。 「じゃあ、どうして!」 と、妹紅は切羽詰った風に言ったつもりらしい。 だが実際には、間延びした猫撫で声で「じゃーあー、どおしてぇー?」と頬に両手をあてていやんいやんと上 半身をくねらせての発言だ。 「それは、いつもと違う妹紅に……。いつもより可憐で美しい妹紅に心奪われてしまっていたから!」 どうやら気づかなかった訳ではなく、気づいたうえで見惚れて放心したとのこと。 そういうからにはそれが真実なのであろう。 たとえそれがどんなに馬鹿馬鹿しく白白しいものだったとしても。 こいつらは二人揃えば予想と常識の斜め上を平気で飛び越えるのだ。 「……っ、○○!」 「妹紅!」 感極まって振り向き、走り出す妹紅。 ゲートが開くのを待ち構えていた競走馬のようだ。 そしてそれを抱き留めた○○。 二人は抱き合いながら部屋の中央でクルクルと回りだす。 学び舎であったはずのそこは酷い有様となっていた。 見物を決め込んだ生徒は机に突っ伏している。 逃げ出した生徒の内、頃合を見計らい損ねた者は部屋の入り口付近で折り重なって倒れている。 いつから覗いていたのか、かの妖怪はスキマから上半身だけをだらりと垂らしてぴくりとも動かない。 正気を保っているのは慧音だけだ。 そんな地獄絵図のなかで幸せそうに笑いあう二人組。 「ぶっちゃってごめんね? 痛かったでしょ」「もう平気だよ。それに妹紅の受けた痛みに比べればこんなもの、 なんでもない」「ううん、いいの。だって○○のこと信じてたから」「俺も信じてたよ。またこうして抱き合える ってね」「○○ったら……ほら、ほっぺた見せて、消毒してあげるから。――んっ」「っはは。くすぐったいよ妹 紅。よし、お返しだ」「んっ、ゃん。私はぶたれてないってば――あんっ」「泣かせてしまったな。いつか約束し ただろう? 妹紅の涙は全て拭い去るって」「違うよ、これは嬉し涙だ。○○が迎えに来てくれたのが嬉しかった の」「たとえそうであってもだ。妹紅の涙は綺麗だから、全て俺のものにしたい」「んっ、酷いな。私の全てはと っくに○○のものなのに」 ……とかなんとか。 愛の弾幕はハート型弾自機狙い、脅威の128WAY。 一歩でも動けば即被弾間違いなしの超高密度。 本体を止めなければ時間無制限でばら撒かれ続けるのだ。 そのままちゅっちゅくちゅっちゅく乳繰り合っていたが、いよいよのっぴきならなくなってきたらしい。 頬への口付けから今にも本格的な接吻に移りそうである。 それだけは、というかその先は未然に防がねばならない。 そしてそれが出来るのは今となっては彼女だけ。 「貴様ら……」 痺れた脚に力を込め、ゆらりと立ち上がるその様は幽鬼のよう。 振りかぶられた手には空の湯飲み、書かれた文字は色即是空。 「いい加減にせんか、この⑨ップルがーーーーッ!!」 上白沢慧音、渾身の一投。 狙うは色ボケ結界唯一の当たり判定。 今まさに一つになろうとしている口腔粘膜接触部。 「ぉぷす!」ピピチューン どちらが上げたか間抜けな悲鳴とともに倒れる二人。 荒く息をつく慧音。 死屍累々の教室。 午三つの鐘が鳴らされる。 ここに此度の痴話喧嘩騒動は終結を迎えた。 「……しかしこれで終わったと思うな……いつか第二、第三の素敵な二人が……」 「うるさいうるさいダマレダマレ」 うpろだ1129 ─────────────────────────────────────────────────────────── 幻想郷に迷い込んで早一年。すっかりこちらの生活にも慣れた。 今の生活は、竹林でぶっ倒れていた所を妹紅に助けられたことから始まる。 気がついてから里へ連れて行かれて、妹紅の友人である慧音さんから 幻想郷について色々な事を教えられた。 こちらに残ることを決めたオレに、慧音さんは職と住む場所を与えてくれた。 のちに慧音さんから教えてもらった外来人に対するルールを考えれば、 自分はとても運が良い部類に入るんじゃないだろうか。 命があり、五体満足なのだから。 幻想郷の暮らしは外の世界から来た自分には大変なものだけど、 充実した生活を送れている。 ただ、元々自分は幻想郷の人間ではないので最初は周囲から警戒されて なかなか街の人達の中にとけ込めなかったけど、慧音さんの計らいで 歓迎会兼親睦会を開いてもらい、思ったより早く馴染むことができた。 そして、たまに妹紅が尋ねてきてくれて他愛無い世間話をできたことが、 まだ里に馴染む前の自分にとっては本当に助けになった。 その事について妹紅に礼を言うと、拾ってきたのは自分だし、 少しくらい面倒を見るのは当然だ。気にするな、とそっぽ向いてしまうが、 その気遣いが嬉しくて、やっぱり「ありがとう」と礼を言ってしまう。 --------------------- 外はすっかり日が落ち、木枯らしが吹いている。まさに冬である。 元々幻想郷の住人ではない自分にとっては、この季節は外の世界で 使っていた数々の暖房器具が恋しくて仕方がない。 無い物ねだりな思考のまま炬燵に手足を突っ込みつつ、天板の上に顎を乗せる。 今日は珍しく妹紅が夕食を作ってくれるというのでのんびり待っているのだが、 正直ちょっと不安だったりする。何故って、妹紅の料理スキルが如何程なのか まったく知らないのだ…… さっきから野菜を切る音と、何やらガチャガチャと音が聞こえてくるのだが、 主に後者の音の発生源が不安でならない。 「お~い、妹紅~」 つい、不安になって声をかけてしまう。 少しすると音が止み、台所の入り口から妹紅が半身を覗かせて「どうしたの?」と 聞いてくる。 「すっかり聞きそびれてたんだが、今日の夕飯って何?」 「あれ……? 言ってなかったっけ?」 どうやら、妹紅は言ったつもりになっていたらしい…… 聞いてないことを伝えると、何やら満面の笑みになってこう切り出してきた。 「今日は鍋だ。この間○○が言っていた『もつ鍋』っていうのをやってみようと思うんだ」 料理くらいなら懐かしいものを食べてみたいだろ?と妹紅は続けた。 そういえば、本格的に寒くなる前に慧音さんと3人で鍋をした際に、外の世界にいたとき 好きだった『もつ鍋』について話してたことを思い出した。 「もつ鍋のこと良く覚えてたな……。覚えていてくれてありがとな、妹紅」 「っ! …そ、そんなの当たり前だろ。お前が好きなもの位覚えていてやるよ」 妹紅が覚えていてくれた事が堪らなく嬉しくて、自然と綻んでしまった顔で礼をしたのだが、 なんだか妹紅の反応がいつもと違う。…なんでさ? 《side Mokou》 あのタイミングで微笑むのは、ちょっと反則だろ? 流石というか、○○は今日のことを不思議に思っていない。 これなら、私の計画も予定通り遂行できる…… 今日は慧音も里の寄合でしばらく帰ってこない。計画通り○○と二人きりだ。 これで、誰にも邪魔されない。 台所に戻り、○○が河童に作ってもらった『冷蔵庫』という入れ物から、 ○○が大好きな『もつ』と取り出す。 もつ鍋は牛か豚の腸を使うって○○は言ってたけど……鶏の内臓を入れても良いよね。 ねぇ、○○。何があっても私達ずっと一緒だよね? うpろだ1305 ───────────────────────────────────────────────────────────
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妹紅 ロダ up0662 src2/up0102 src2/up0111 src2/up0294 up0129 up0169 スレネタ ■1スレ目 妹紅/1スレ/125 ■4スレ目 妹紅/4スレ/815 妹紅/4スレ/919 927 ■6スレ目 妹紅/6スレ/551 ■9スレ目 妹紅/9スレ/883 ■10スレ目 妹紅/10スレ/808 ■11スレ目 妹紅/11スレ/842-843 ■12スレ目 妹紅/12スレ/342 或る夫婦の日常 ■13スレ目 或る夫婦の姫始め 後の痕 ■14スレ目 ○○のモデル 妹紅/14スレ/677-679(青娥/14スレ/370-371の妹紅視点) 妹紅/14スレ/783-785 ■15スレ目 ある夫妻の日課 妹紅/15スレ/643 ■17スレ目 妹紅/17スレ/586 ■20スレ目 渡りし『鳥』の止まり木よ 孤独の妹紅 ■21スレ目 妹紅/21スレ/173 妹紅/21スレ/750-755 ■22スレ目 妹紅/22スレ/42-43 妹紅/22スレ/70-74 ■23スレ目 妹紅/23スレ/58 ■24スレ目 不死鳥が死んだ日 ■25スレ目 妹紅/25スレ/152 温かい春 ■麺類氏 妹紅/麺類氏①
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藤原 妹紅 カードテキスト 《藤原 妹紅》 コスト:6 タイミング:N UnitCard 直属2 [T]このユニットがトラッシュされた時、あ なたの山札の上から5枚をゲームから取り除 く。そうした場合、このユニットを場の元の 位置に活動状態で戻す。 攻撃力7/防御力4 武勲0 統率2 コメント 竹林に住まう不老不死の人間。色々と波乱万丈な人生を送ってきたとか来ないとか。原作ではただの人間らしからぬ強さを誇る。蓬莱山 輝夜との仲は険悪である 自身の代わりに山札を代償として場に復活するトラッシュに耐性のある能力と、それ合わせて打点の高い攻撃力と若干低めの防御力で擬似蹂躙ともいえる突破力を持ったユニットカード。火水木金土符「賢者の石」を使えば大抵のユニットを戦闘破壊する事ができる ただし、突撃持ちで素の打点4以上のユニットに対しては一方的に相性が悪い。また、フォーゼルにも注意する必要がある。 トラッシュに対する耐性はそのまま防御力にも発揮され2,3ターンは戦場を維持することも可能である。 デメリットは、山札を5枚も削るため、悠長に構えているとあっという間に山札が空になり負けに繋がってしまう。 防御力値の低さと初期の山札の枚数が37枚という部分もこれに拍車を押し、油断していると割と簡単にそう言う状況に陥ってしまう。 このカードを活用した時点で勝利を掴むか、あるいはその後の対策を考慮するのが望ましいだろう。 2010/03/03からテキスト修正により復活能力のタイミングが[A]から[T]に変更された。
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妹紅1 1スレ目 17 妹紅へ 「お前の焔で俺の凍て付いた心を溶かしてくれ!」 1スレ目 185 「月が綺麗だね…こんな事を言うと、あいつが頭に浮かんで癪だけど」 そう言いながら、先を歩く妹紅は夜空の月に向かって手を伸ばす。 妹紅の長い白髪が、月の光を浴びてきらきらと輝いていた。 「そうだね…けど」 「?」 「僕は妹紅も綺麗だと思うよ」 「ばっ…!い、いきなり何をいうかなぁ!?」 少し色白な顔を赤く染めて、ぷいと妹紅はそっぽを向いてしまう。 こんな事を言えばこういう態度を取られるのは分かってるものの、ついつい言ってしまう。 …とはいっても、半分以上は本心なんだけれど。 実際、妹紅はとても綺麗だ。遠い昔は貴族の娘だったという話も頷ける。 そして話せば気の置けない友人のようにいつまでも語り合えて、楽しいのだ。 …そんな妹紅だから、僕は… 「…妹紅」 「ん?どうしたの?また変な事言うつもり?」 冗談っぽくこっちに言ってくる。けど、その瞳を僕は真っ直ぐ見つめ返した。 最初は笑っていた妹紅も、その眼に射られたように、表情がこわばる。 「ど、どうしたのよ…怖い顔しちゃってさ?そんな顔、似合わないよ?」 「……言いたい事が、あるんだ」 ごくり、と妹紅が喉を鳴らす。静かに、二人の間に緊張が満ちていくのが分かった。 妹紅は何も言わず、ただ僕の方を見つめている。 その瞳から眼をそらさないまま…僕は言った。 「僕は…妹紅が好きだ。妹紅と…ずっと一緒にいたい」 妹紅は、数瞬の間呆然としていた。 が…僕が言った意味を理解していくと同時に、顔がどんどんと真っ赤になっていく。 それこそ、彼女が扱う鳳凰の炎と比べても遜色がないほどに、だ。 「や、や、やだなぁ。きゅ、急にそんな冗談言われても」 「冗談なんかじゃないよ。冗談を言ってる眼に、見える?」 そういって、ずっと見つめていた目をさらに強める。 妹紅は急に落ち着きがなくなって、ポケットに手を突っ込んだまま石を蹴った。 「えーと、そのー…ちょ、ちょっと待って…」 そう言いながらも、顔の赤みは引かず、喉元あたりまで真っ赤に染まっていく。 どうやら凄まじく混乱しているみたいだった。 このまま告白しきれたらいいと、一瞬思った。 けれど、彼女は気が付いてしまうだろう。それは、変えようのない事実である。 「あ……」 呟くように小さな、妹紅の声。赤かった顔は色が引き、その顔には哀しげな表情が浮かんだ。 「ねぇ…私の体のこと、知ってるよね?」 「うん、知ってるよ。妹紅が見せてくれたんだもの」 「そう、だよね…私はさ、死ぬ事も…老いる事もないんだ」 そう呟く声は、言いようのないほどの寂しさが満ちていた。 俺のずっと一緒にいたいという願いと、彼女の身体の問題。 その二つをあわせれば…考えたくもない未来は簡単に予想できてしまう。 「私は…絶対にあなたを先に逝かせてしまうよ」 「そうだね…まず間違いなく、僕が先に死ぬだろうね」 僕のほうを見ている妹紅の瞳に、大粒の涙が一粒、二粒と浮かび始める。 それは頬を伝い、輝く軌跡を残す。 純粋な、悲しみの表情。それすらも僕は愛しく思ってしまう。 「私は、あなたが…皆が想像するほど、強くないよ…」 「………」 知っているよ。君は本当は凄く弱くて、寂しがりで、誰よりも温もりを求めてて… 「愛する人…失って、その後も生きていける自信なんて、ないよ…」 「………」 そう思ってしまった。だから、言うのを一度はためらった。けど… 「やだよぉ…困るよぉ……わた、私も好きなのに…大好きなのにぃ…!」 妹紅が言えたのは、そこまで。後は涙で声が出せなくなってしまう。 僕は、一歩一歩、ゆっくりと妹紅へ歩み寄り…そっと、妹紅に手を差し伸べた。 「…慧音さんに言われたんだ。告白して、応えてもらえたとしても、僕の先には苦難が多いって。 だから、一杯考えて、悩んで…全ての覚悟をした上で、思いを伝えろって」 妹紅は涙をぬぐいながら、僕が差し出した手を見つめている。 「僕は全て覚悟をした。死によって必ず分かたれる事も、妹紅をおいて逝ってしまう事も。 …それでも、君を愛さなければ、僕は…きっと生きていやしないのだから」 そう、最初に妹紅と出会ったときから…きっと、この結末は決まっていた。 あの時から…僕は妹紅以外を、愛せなくなってしまっていたのだから。 「僕は…きっと妹紅を苦しめる。生きていても、死んでしまったとしても… けど、僕は信じられる。妹紅と一緒なら、沢山の悲しみをも超える幸せを、見つけられるって」 一緒にこれからの時を、歩んで行けるのなら。きっと沢山のいい事がある筈だ。 それはきっと、潰されそうなほどの悲しみや、無限の時を背負って生きる妹紅の助けに、きっとなるはずだと、僕は信じている。 「勝手な思い込みだと思ってもいい。怖いのなら、否定してくれたって構わない。 けど、もし僕の言葉を信じてくれるのなら…僕の手を、取って欲しい」 これが僕の覚悟だ。そう言うようにもう一度、妹紅に手を差し伸べた。 「…………」 妹紅は、何度もしゃくりあげながら、僕の手をじっと見つめて… 僕の手を、握り締めた。二度と離すまいとするかのように、強く。 「私も…よ。きっと…今あなたと離れたら…私も生きてなんかいられない」 涙混じりの赤い瞳で、けれども…力強い眼で、僕を見つめ返す妹紅。 「…信じるよ。あなたの言葉を、全て。だから…」 妹紅は繋いだ手を引き、僕を引き寄せて胸元に飛び込んできた。 「私を幸せにして…!これからも、あなたが消えても、ずっと…ずっと……!!」 僕はその願いに、言葉ではなく態度で示した。 腕の中にいる妹紅を、強く強く抱きしめる。大切なものを、離さないために。 1スレ目 226 309 226 名前: 名前が無い程度の能力 投稿日: 2005/08/22(月) 11 51 01 [ WEQNpfyw ] 185 妹紅自ら腹を切り裂き取り出した血まみれの肝を差し出すシーンが思い浮かんだ訳ですが。 「これで、ずっと・・・一緒だよ?」 「これで、ずっと…一緒だよ?」 ボタボタと血を流しながら、掌に肝を乗せ、差し出す妹紅。 痛みで顔を歪ませて、それでもしっかりと俺を見つめて。 …これはきっと、彼女の最大の我侭なんだろうと、思った。 不死の苦しみも辛さも、彼女は知っている。 そして、そんな人間を増やしたくないと彼女自身が言っていた。 …それなのに、今こうやって俺を不死者へと誘っている。 一体どれ程悩んだのだろうか?どれだけ、苦しんだのだろうか? 俺はその思いに、答えなければならない。 どれ程の痛みと苦しみが、先に待っていたとしても。 「あっ…!」 俺は差し出された肝を手に取った。まだほのかに暖かく、血に塗れている。 一瞬迷い……そして、ソレに齧りついた。 鈍い鉄の味と、形容の出来ない肉の味。何度も何度も、吐き出しそうになる。 「……っ!………っっ!!」 それでも吐き出さない。涙を零れても、食べることは止めない。 口の周りは血で真っ赤に染まる。きっととんでもない姿だなと、頭の隅で思ってしまった。 「……っはぁっ!げほっ、げほっ…!」 ついに、全てを食べ終えた。残ったのは零れた血に染まった手と服と…俺。 …俺"も紅"に、染まってしまったと実感した。 体中からエネルギーが沸いてくる。これが…蓬莱人というものなのか。 「…ありがとう。拒否しないでくれて…」 へたり込んでいる俺の肩を、妹紅は強く抱きしめた。 「これからは…永遠に一緒よ。私の…大切な、旦那さま……」 妹紅の腕のぬくもりは、これから続く永遠の蜜月の始まりを告げていた… 1スレ目 439 妹紅「私が過ごす時に、どうやってもついてこれない貴方が何を言うのかしら」 うわ、何こいつ、永まじキモ… 死なないだけで人間と変わらないくせに、 もともとの自分の力でもないくせに、 定命のものをそれだけの理由で見下すかの態度。 だいたい、あんたと数少ない「おなかま」を除けばどんなに長命な生物でも いつかは死ぬんだよ。 そういうのをすべて遠ざけて自分だけ特別、誰も私を幸せにできない、 みたいに勘違い気取ってるわけ? さびしいヤツ、永遠にさびしいなんて救われないヤツ あんたは死なないだけで人間だろ? 人は人の時間に生きて感じて 人の時間で幸せにもなって不幸にもなるようにできてる。 あんたは永遠を理由に、 誰にでも当たり前にある、けれどまた見てもいない不幸から逃げてるだけさ。 臆病者の勘違いキモ… でも、そんなお前を愛してる! 妹紅「・・・!(絶句) 私、間違ってたのかな ごめんね、気がつかなくて、悪いのは私だったんだね ・・・ アナタヲ問答無用デ殺ラナカッタノハ私ノ過チネ ・・・ さぁ、遺言はもう聞かないわよ(フェニックス再誕」 けーね先生 ひいて見たけどやっぱりダメでした 1スレ目 503-505 513-518 ちょっとした昔話だ。 ある青年が、一人の少女に恋をした。 青年は幻想郷の外から来たただの人間。 少女はかつて蓬莱の薬を飲んでしまったただの不死の人間。 青年は本気で恋をした。少女もまた、青年を愛するようになっていた。 ただ、青年と少女とで決定的なまでに違う点が一つあった。 彼女が不老不死だということだ。 少女は老いず、死なず、変わることのないその命にいい加減飽いていた。しかし黄泉という名の安息は決して訪れることはない。 少女は青年の告白を受け入れられずに去っていった。 青年と少女は出会ってはいけなかったのかもしれないし、逆に青年と少女こそ出会うべきだったのかもしれない。 いずれにしろ、それから長い時が流れることとなる。 「妹紅っっっっッ!」 輝夜の五体を引き裂かれるような絶叫が竹林にこだました。 普段の淑やかな彼女からは想像もつかない、心の奥底から搾り出されるような叫び声。 その瞳は、目の前の信じられない光景のみを食い入るように見つめていた。 名を呼ばれた少女、藤原妹紅の全身が炎に包まれている。 それは特別おかしくはない。彼女は炎を操り不死鳥を使役する。炎に身を包みその体そのものを贄としてさらに炎熱の激しさを増すのが彼女の得意とする戦法だった。 けれども、目の前の炎は明らかに違った。 吐き気を催すような毒々しい灼熱の紅蓮。 邪な意志を持ち、見るものを狂気へといざなう様なその蠢き。 天を焦がさんばかりに吹き上がる揺らめきすら、この世のものではない何か別の法則にのっとって動いているかのようだった。 言葉では同じ炎だ。だが、何もかもが違う。幻想郷にあるどのような炎。それこそ竈の火から火山の溶岩さえも見てきた輝夜だが、このような火炎は一度も見たことがなかった。 熱い。妹紅が立つ地面が焼け焦げて黒く変色し、目の前の草と竹が次々と炎熱にあてられて異様な速さで枯れていく。 あまりにも異常な光景。まともに見たら間違いなく発狂する真の満月を見ても異常をきたさない輝夜でさえ、その炎を直視していると気が狂いそうになるのを感じた。 「姫…………お下がりを。あれは危険です。私たちの知るものではありません」 隣の永琳がそっとささやくが、輝夜には聞こえていない。 彼女が見ているのは、ただ炎に身を焼くに任せている妹紅の姿だけ。耳に聞こえているのは、その業火の吹き上がる音だけ。 妹紅は、こちらを見ていた。 炎に焼かれるのは特別なんともないのか、呆然とする輝夜とは対照的に穏やかな表情で輝夜を見ていた。 輝夜は、たしかに聞いた。 さよなら、かぐや。 その声を。 耳にではなく、心にだったのかもしれない。 それを最後に、妹紅の姿は炎の中に消えた。 一瞬で、終わった。 灰燼に帰す。 文字通りの、消滅。 五体が崩れ、炭化する暇さえなく灰となり消えていく。 燃えるものがなくなれば、炎は消えるのが道理。 あれほど激しかった異形の炎は、その凄まじさからは滑稽に思えるほどに一瞬で消えてなくなった。 肌を焦がすほどの熱風が吹きぬけた後、そこには焼け焦げた地面だけがあった。 「妹紅…………」 もう一度、魂が抜けたように輝夜は呟く。 着物のすそを引きずりながら、黒焦げになった地面にまで幽霊のように近づいていく。そこには何もない。灰の一つまみさえも残っていない。 いつもなら、この後何事もなかったかのように妹紅は空間から五体満足の状態で姿をひょっこり現してくるはずだった。 けれども、今回に限ってはただ沈黙だけがその場を支配している。 「何で…………蘇ってこないの…………なんで?」 誰ともなしに輝夜は虚ろに呟く。あまりの衝撃に泣くことさえ忘れてしまったかのように、ただ空っぽに。 気が狂うほどの、心を抉られるような静けさ。 けれども、 「魂魄のその一切を焼き尽くすほどの炎熱が、この世にあると思うかい?」 輝夜が眼を上げると、竹林の間から一人の青年がゆっくりと出てきた。手には分厚い本を一冊持っている。外見から察するにどうやら魔法使いだろう。 「幻想郷にはない。現世にもない。精霊の炎でも悪魔の炎でも地獄の炎でも、蓬莱の人の魂魄を遍く灰燼に帰せしめるほどの力はない」 「あなたが、妹紅を殺したのですか?」 いつの間にか傍に立っていた永琳が鋭く問いかけるが、青年は肩をすくめた。 「違うね。彼女を殺したのは時間さ」 青年もまた、逆に問いかける。 「あなたたちは、彼女の言っていた月の方々らしいね」 「ええ」 「なら、話が早い。見てのとおり、彼女はもう蘇らない。どこにもいない。魂魄全てを焼き尽くされ、決してここに帰ってくることはない。永眠したのさ」 「無理です。そんなこと…………」 「ありえないってね。私だってそう思っていたさ。そのとおり、現世ではありえない。この世ではありえない。ならば、この世ではない異界の存在ならば、それは可能ではないかな」 永琳は黙った。目の前の青年の正気を一瞬疑ったからだ。異界のことなど、どうして現世にいるものにわかるだろうか。けれども青年は何の表情も顔に浮かべぬまま、手に持っていた一冊の古びた本を掲げた。 「この『死霊秘法』に記された召喚の術式。星の彼方に住まう灼熱の邪神をこの世に喚起する禁忌中の禁忌。儀式を執り行い呼び出された炎はこの世のものではない。あなたたちも見ただろう。あれは絶対にこの世界にあってはいけない異界の業火。全ての生けるものが嫌悪すべき邪悪の神火。けれどもあれならば、あの神そのものが具現した炎ならば、たとえ蓬莱人であろうとも耐えることはできない。文字通り、死に絶える」 気の遠くなるほどの長い時を生き、人類とはかけ離れた文明を築いた月の民である永琳と輝夜。その二人とも全く知りえない事実を、青年は淡々と語った。 「帰りたまえ。彼女はもうここにはいない。妹紅は死んだ」 青年のその言葉に、初めて輝夜が反応した。 「どうして……殺したの」 ようやく失っていた感情が戻ってきたのか、輝夜の頬を一筋の涙が伝った。 「大好きだった……。私のことを嫌いだったことも、私のことを求めていたことも、やがて私のことをちょっとだけ好いてくれたことも、なにもかもひっくるめて私は妹紅のことが大好きだった。愛しくて愛しくてたまらなかった。永遠に一緒にいてくれるって信じてた…………。なのに、どうしてあなたみたいなただの人間が…………」 青年は、一瞬だけ後悔するようなそぶりを見せたが、ぽつりと 「あなたも……彼女のことが好きだったのか」 返答はない。けれども言葉などなくても、答えはまざまざと伝わってくる。 「私も、若いころに彼女に恋した。助けてもらったのがきっかけでね。自分でも驚いたけれども、どれだけ時間が経ってもこの気持ちは変わらなかった。そして、嬉しいことに妹紅も私を愛してくれていた。もう、だいぶ昔の話さ」 青年は目を横へ向け、少し前まで妹紅が立っていた場所を見つめた。 「私のほうから告白したけど振られてね。私だってお前のことはとても好きだ。でも自分は永遠を生きる人間。お前はすぐに死んでしまう。一緒になるべきではないって言われたよ。だったら魔法を極めて不死を手に入れてみせる。いや蓬莱の薬だって作ってみせるって息巻いたけれども、彼女は去っていった。ただこう言い残してね」 青年はため息と共に、一言呟いた。 「永遠に生きることは重荷だ。人という存在は永遠に生きることなど耐えられない。もし死ねるのならば、死んでやり直せるなら、私はそうしたい」 再び、青年は輝夜を見る。 「あなたたち月のものには分からないだろう。人間は永遠に生きられない。たとえ体が生きても、精神がそれを拒絶する。親兄弟が死に、親しいものが死に、出会ったもの全てが死んでいなくなるのに、自分だけが取り残される孤独。妹紅はその孤独に苛まれていたし、そして誰も自分のように苦しんで欲しくないと願っていた」 輝夜は無言。そして横に立つ永琳もまた無言。 「だから、私は魔術を極めた。唯一つの理由のために。彼女を永遠の苦輪から解放するという、ただそれだけのために禁忌に手を染め、異界を覗き見、正気と引き換えに禁断の知識を脳に刻み付けた。そして、それは今ここに成就した。妹紅に全てを話して、自分ならば君を殺せると提案してみた。提案しただけだ。選ぶのは妹紅の権利だ。長い間考えた末に、彼女自身が選んだ結論がこれだった。妹紅は永遠に現世を彷徨うことはない。誰の死をも苦しむことはない。魂魄を焼き払ったから冥界に行くこともない。ただ世界の中にようやく戻り、全てが新しく始まる転生の時を待っている」 青年の独白は終わった。 妹紅を女として愛したものと、妹紅を友として愛したものとが、ただじっと顔を向かい合わせたまま立ち尽くしていた。 「そう…………」 やがて、輝夜は袖で流れた涙をぬぐった。もう、取り乱した様子はない。いつもの静かな、月の姫君に戻っていた。 「よく分かったわ。私はこの永遠で満足していた。妹紅も永遠を生きるものとして満足しているものと思っていた。けれども、それは違ったのね」 「人間である、私の視点から見れば」 「故人のことよ。どう推察してももう分からないわ。御礼を言うべきかしら、私の愛した妹紅を解放してくれたことに。…………けれども、私は親しい友人を殺したあなたを許すわけにはいかない」 静かに、輝夜は右手を上げる。 伸ばした人差し指。そこに光がともる。 「難題を一つあげるわ。これから私が放つ弾幕は一条の閃光のみ。けれどもそれは確実にあなたの心臓を貫き、あなたを絶対に殺す。かわすことは不可能よ。私は永遠と須臾を操るから、どんなにあなたに届くまでに時間がかかろうともそれを一刹那にすることができる」 相手に逃れられない死を告げながら、なぜか輝夜はほほえんだ。 「今から五つ数えるまで待ってあげる。五つ数え終わったら、閃光は放たれる。数え終わるまで私は何もしない。けれども数え終われば、必ず閃光は放たれる。さて、どうすればあなたは死から逃れることができるのかしら?」 隣の永琳が何か言いかけ、けれどもまた黙った。 青年と輝夜と目が合う。 微笑する輝夜。その笑みは、あのとき炎に包まれていた妹紅とまるっきり同じ種類のものだった。 青年は、うなずく。 輝夜も、うなずく。 「一つ」 青年が手に持った本をおもむろに胸の高さまで上げると、ひとりでに本は開きページが次々とめくれていく。 「二つ」 空間を振るわせるような呪文の詠唱。これまでに存在したあらゆる言語とも似ても似つかない、軋るような唸るような呻くような聞いたことのない呪文。耳をふさぎたくなるような奇怪なリズムと胸が悪くなるような発声も、輝夜はものともしない。 「三つ」 詠唱を止めることなく、本を左手に青年は右手を輝夜に向ける。その手のひらに炎がともった。あのときと同じ禍々しい不吉な炎。 蓬莱人の永遠さえも食い尽くし、舐め尽くす異界の神火。 「四つ」 炎が吹き上がり、狙いを定める。それは避けられぬ直線上にいる輝夜その人。 輝夜は、ささやいた。 さようなら、えいりん。あえてよかったわ。 「いつ……」 つ、までは輝夜は口にすることはできなかった。 手のひらから放たれた炎が、狙い過たず輝夜に襲いかかり、その全身を包み込んだ。 炎に耐性のない輝夜など、神火の前では妹紅のように姿を保ったまま焼かれることさえ許されない。 一瞬で、燃え尽き灰となり消え去っていく。 地面は殆ど焦げなかった。炎が焼く対象があまりにも早く燃え尽きたせいだ。 もう、蘇ることはない。 彼女もまた世界に取り込まれ、転生の中に還っていった。 後に残ったのは、最初から最後まで殆ど口を出すことのなかった永琳と、都合二人を炎の犠牲とさせた青年だけ。 「終わりましたね」 「ああ、そうなるかな」 永琳はまるで、何事もなかったかのように平然としていた。 「さて、あなたはこれからどうします?まだ研究が残っているのでは?」 「くくくっ、こう見えていろいろ延命やら不老やらの術の厄介になっていてね。分かると思うけど見た目ほど若くないんだ、私は。それに研究にだいぶ正気をつぎ込んでね。遠からず気が狂うことになりそうだよ。まして、研究の成果など人に教えるべきものじゃない。あれは人間も妖怪も身を破滅させることにしか使えない知識だ。ここに来る前に全部処分したよ」 青年の額を、脂汗がつたった。 がくりと、不意に膝をつく。 「結局…………何も救えなかったな。私は」 「いいえ。永遠などどこにもありはしません。姫はあるとお思いだったかもしれませんが、永遠に互いに愛し合い、仲良く暮らすことなどできません。長い時の果てには幻想郷も滅びますし、月とて遥かな未来にはこの星よりなくなるでしょう。いいえ、この星さえも、やがては太陽に飲み込まれ滅びる定め。いつかはあなたが手を下さなくても、蓬莱人さえも滅びることでしょう。時間が姫たちを殺すよりは、はるかによいことだったと私は思います」 「だったら……いいけどね。私だって、妹紅をもっとよい形で救いたかったよ」 「それは、世界がするべきことです」 「ああ………本物の神がおられるのだったら…………そう祈りたい」 突然、青年の左手が燃え上がった。青年は驚くこともなく、炎を見つめる。 「二度の召喚は負荷が大きすぎたようだね…………。私もまた、邪神の炎に焼かれることになりそうだ…………ちょうどいい」 左手に握ったままの本が燃えて灰となっていく。炎はどんどんと青年の体を包み、禍々しい光と熱で彼の存在をこの場から消し去ろうと牙をむく。 「最後に…………一つ言っておくよ」 「どうぞ。遺言ですか?」 「いいや…………」 まだ無事な顔で、青年はにやりと笑った。魔法使いの顔で。 「私を焼くこの炎…………これも神火でね。私が死んでもしばらく燃えるだろう…………。姫と妹紅の後を追いたいのなら………使ってかまわないよ」 それだけ言うと、青年は力尽きたのかうつ伏して倒れた。 もう、頭を上げることも動くこともない。炎は自らを呼んだ主を焼き、轟々と音を立ててさらに燃え上がる。 あたかもそれは、弔うものもいない火葬の炎のように。 永琳はただ、じっとそれを見つめていた。 「どうだ、藤原。新しい学校にももう慣れたか?」 「はい。すっかり。ここがもともと私の学校だったくらいに」 「それはよかった。君にはよき先輩がすぐにできたからな」 「あ………分かりました?」 「もちろんだ」 放課後となった学園は、急に慌しくなる。部活に向かうもの、寮に戻ろうとするもの。逆に手持ち無沙汰になってうろつくもの。 ホームルームを終えて教室を出た私の隣を、一人の生徒が歩調を合わせて歩いている。 藤原妹紅。先日両親の都合でこの学園に転校し、私の受け持っているクラスにやってきたばかりの生徒だ。 広大な敷地に建てられた女子専門の学園。私はそこで国語の教師をしている。私の実家は何てこともない平凡な家だったが、ここに通う女の子たちはみんなお嬢様ばかりだ。少々場違いだと自分でも感じることもあるが、教えることは楽しく、またやりがいがある。 転校初日からいろいろと学校の中で面倒を見てやったせいか、藤原は親しげなそぶりを見せることが多い。今日もこうして、わざわざ職員室に戻るだけの私の隣を、こうして彼女は歩いている。 はたから見れば、私たちはどう見えるのだろうか。 「でも先生。先生には恋人とかっていないんですか?」 何がどう繋がって「でも」なのかよく分からないが、急に藤原がそんなことを私に尋ねる。 不意の質問に、なぜか私は黙った。 「恋人…………か」 思えば、女性と親しくした経験など殆どない。 告白されて付き合ったことはある。けれどもすぐに別れてしまった。 なぜだろう。私を見つめる昔の彼女の顔。 そこに誰か、別の見たこともない少女を一瞬だけ幻視してしまうのは。 「ああ。いないな」 私は当たり障りなく答えたつもりだが、藤原は足を止めた。 おいてそのまま歩くのも不自然なので、必然として私もまた足を止め、彼女の方を向く。 「女の子って苦手です?」 「いや、そういうものではないのだが……。ただ機会がないだけだ」 どうしてそのことに彼女がこだわるのだろうか。私が解せずにいると 「だったら、私が恋人に立候補してもかまいませんか?」 突然の一言に、心臓が止まった。 冗談はよせ、となぜか口に出せなかった。 こちらをじっと、身長差ゆえに半ば上目遣いに見つめる藤原。 その顔に、 懐かしい何かを、 遠い日の、見たことも訪れたこともないどこかの記憶を、 悲哀でしか語れない追憶を、 幻視した気がした。 「…………うそ」 「は?」 いきなりにやっと笑う藤原に、思わず間抜けな声がもれる。 「だ・か・ら・う・そ。あっ、先生本気にしちゃいました?だったらごめんなさい。でも教師と教え子の恋愛なんてだめですよ」 「わ、分かっているそんなことは。先生をからかうのはいたずらでもよせ」 「謝ってるじゃないですか、ごめんなさいって」 「まったく、誰かに聞かれたら冗談ではすまないことだ」 困ったことだ。どうにも生真面目な性格が災いして、私はまれにこうして教え子にからかわれる羽目になる。悪意はないのだから余計どう対応していいのか分からない。 再び廊下を歩き出した私に、それでも藤原はついていく。 「でもね、先生」 今度は、打って変わって真面目そのものの声だったので、やはり私は仕事柄返事をしてしまった。 「どうした」 「これは本当の話ですけど、先生と私ってどこかで会ったことがありませんか」 私は歩きながら横を向くと、藤原はこちらを見ないでまっすぐ前を見ていた。 どこか、遠くを見るような目つきで、独り言のように続ける。 「初めて先生と会ったときに、一瞬だけ感じたんです。この人と私ってどこかで出会っているんじゃないだろうかって。デジャヴって知ってますよね。そんな感じです。他人のようには思えないんです。ずっとずっと昔、本当に思い出せないくらいに遠い昔に、私と先生はお互い会っていたような気がするんです」 「……………………」 何も言えずに、私は彼女の横顔を見ていた。 「先生は、そう感じません?」 感じる、と答えるべきなのだろうか。私の感じていた幻視の正体が、これなのだろうか。 心の奥で、恐らくそうだと思っていた。この少女こそが、私の幻視の見せる少女なのだと本能が告げている気がした。 けれども私は、首を横に振った。 「理屈では、そんなことはないはずだ」 「そうですか。そうですよね…………」 少し残念そうなそぶりを見せた藤原に、私はけれどももう一言付け加えた。 「だが、もしかしたら偶然に偶然が重なって、そうなのかもしれないな。あるいは、お互いが覚えていないほどの昔に」 「前世って信じます?」 「いや。オカルト関連に興味はない」 私は、自分の心に生じた思いをそのまま封じた。たとえそれが計り知れない造物主のいたずらで事実だとしても、昔は昔のことだ。今の私たちが負うべきものではない。 「あ、先輩。それに八意先生」 ふと、横の藤原がひどく嬉しそうな声を上げたので、私は前に眼を戻した。 「あら、妹紅じゃない。それに先生も」 「こんにちは。奇遇ですね」 見ると廊下の向こうから歩いてくる、私と同じように生徒と教師という一組。 一つ上のクラスの生徒会役員の蓬莱山輝夜に、そこの担任の八意永琳だった。 「ごきげんよう」 丁寧に私たちの前で一礼する蓬莱山。大企業の一人娘という肩書きにまるで恥じない挙措だ。しわ一つない制服も、綺麗に伸びた烏の濡れ羽色の髪も、日本人形のような整った容貌も、まさに良家の令嬢といった感じだ。 「先輩、どうしたんですか」 「あら、藤原ったら約束を忘れたわけ。今日は放課後に図書室で調べ物って言ったでしょ」 「はい、だからこれから行こうと…………」 「もう。たまには迎えに行かせなさい。待っているあなたに会いに行くのもまた楽しいんだから」 「せ、先輩……その、嬉しいです…………」 なにやらずいぶんと深く感じ入っている様子の藤原。そうなのだ、藤原がこちらに転校してからというもの、この蓬莱山が何かと藤原の世話を焼いてくれているのだ。さっそく藤原は生徒会の書記に抜擢され、今ではまるで社長と秘書のようになってしまっている。 「ほら、はしゃがない。リボンが曲がっているわよ」 「あ…………」 藤原の頭に手をやって、髪に付けたリボンをそっと直す蓬莱山。目を細めた藤原は借りてきた猫のようにおとなしい。 友人というよりは蓬莱山が可愛がっていると形容した方が正しいのだが、藤原もその熱愛を一身に受けてまんざらでもないらしい。いや、大いに喜んでいる。 「でも藤原、何か先生とお話があったんじゃないかしら」 「いや、ただ職員室に帰る途中で一緒になっただけだ。安心しろ、藤原を取りはしない」 「ふふ、先生もだいぶ冗談が言えるようになってきましたね」 そっと蓬莱山は藤原の手を取る。 「では、藤原を借りていきますね、先生」 「ああ。生徒会の仕事は頼むぞ」 「もちろんです。それでは、失礼いたします」 手を軽く引っ張られ、私の横を通り過ぎる藤原。 こちらを見て、目だけで挨拶するその目は笑っていた。 まるで抱きとめられるように、藤原は蓬莱山の隣にきれいに収まった。 「さあ、行きましょう。あなたがいてくれて私も助かるわ」 「はい、先輩。そういってくれると嬉しいです」 肩を並べよりそって廊下を歩いていく二人は、仲むつまじい、という言葉がぴったりと当てはまる様子だった。 私がそれを見ていると、横で声をかけられた。 「教え子と堂々と逢い引きだなんて、先生も隅に置けませんね」 「冗談はよしてください。ただでさえ生徒によくからかわれるんですから」 「あら、それは先生がそれだけ生徒に愛されてるってことなんですよ。むしろありがたがるべきです」 そう言ってのけるのは八意先生だ。化学を担当しているため、いつも無造作に白衣をひっかけているが実はかなりの美人で、これでも博士号をもつ天才だとか。 「でも、藤原さんは先生と仲がよいみたいじゃないですか。告白なんてされたりしません?」 「もう少し若かったら、私のほうから告白していたかもしれませんね」 そう言うと、少しだけ八意先生は驚いたような顔をした。 「本気ですか?」 「ええ。何か?」 「いえ……先生もおっしゃるときはおっしゃるんですね」 私は笑って、はしゃぎながら遠ざかっていく二人を見つめた。 「藤原に言われましたよ。私と自分がどこかで会ったことがないかって。まるで前世の因縁のようなことをね」 「あら、それなら私も蓬莱山さんに言われましたよ。先生と私はもしかしたら前世で知り合いだったのかもしれないって。先生もそうだったんですか」 不意に私と八意先生は顔を合わせ、探るような目で互いを見た。 「もしかしたら…………」 「私と八意先生も…………」 その交錯する視線の向こうに、何かを見つけようとして。 …………けれども。 「そんなわけないですよね」 「ええ。きっと気分の問題ですよ」 二人は、お互いのしていることがおかしくて少しだけ笑う。 他人のようは思えない、か。 ならば何をもって「他人」と「知り合い」を区別するのか。自分以外は全て平等に他人だというのに。 私と藤原が、かつてどのような形で出会い、関係を持ち、そして別れたのかは興味がない。 私は私であり、過去は過去である。 現に今、藤原妹紅はとても幸せそうだ。 これが一番大事なことだ。 それ以外にいったい、何を望むというのだろうか。私と藤原はもしかするとかつて恋人であったかもしれない。そのときの自分は彼女を幸せにしようと願ったのかもしれない。 ならば、これこそがその成就だ。 彼女の隣には私ではなく、蓬莱山輝夜がいる。本当に仲のよい親友として。 彼女が幸せなら、私は幻視の眼を閉じたままでいい。 それが、妹紅の得た幸せならば。 それが、私の得た幸せなのだから。 …………え~、長すぎて申し訳ない。これでおしまいです。 なんか結局妹紅の隣にいるべきなのはてるよじゃないかと思いまして。仲良きことは美しきかな。 余談ですがえーりんも最初は生徒でしたが制服が似合わないということで教師に。やっぱり年齢ががががg 183 今日は満月…僕は今、竹林を歩いている。 この先には藤原妹紅という少女が住んでいて、彼女を僕の家に連れて行く為だ。 僕と妹紅は知り合ってから半年になる。 妖怪に追いかけられていて、それを救ってもらったのが僕らが知り合ったきっかけだ。 それ以来、満月の夜にワーハクタクである上白沢慧音と共によく3人で会い、語り合うようになった。 妹紅は不老不死で死ぬことが出来ない。そして毎夜のごとく永遠亭に住んでいる輝夜に殺されているという。 僕はその話を聞いたときに満月の夜だけ僕の家で匿えないものか?と提案し、そうすることとなったのである。 幸い、僕の顔は永遠亭の者には知られてなかったので見つかることも無く、満月の夜のみのくだらない駄弁り合いは誰にもジャマされずに朝まで続くのである。 そうして半年が過ぎて今日に至る… そして今日も僕は彼女を迎えに竹林を歩いている… ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 「よぉ、無事だったか?」 「なんとかね、慧音は?」 「今日は遅れるそうだ。なんでも使い魔が言うことを聞かなくてお仕置きするとか何とか…」 「……」 「……掘られたな」 「うん…」 「ハハハ…行こうか…」 「そだね…アハハ…」 心の中でその使い魔の冥福を祈っておこう… 僕の家は人里離れた森の中にある。 おかげで、妖怪たちの溜まり場になったりすることもある。 まぁ、僕に危害を加えないなら別にかまわない。 …時々だが、「そーなのかー」が口癖の妖怪に食べられそうになることもあるが… 「ほい到着だ、上がってくれ」 「お邪魔しまーす」 「待っててくれ、今茶ぁしばくから」 「関西人…?」 「…冗談だよ…今淹れる」 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 「…というわけで、また宵闇の妖怪に喰われそうになったんだ」 「○○も大変だねぇ」 「まぁな…って僕はお前の方が大変のように感じるが…?」 「アハハハハ…またもや内蔵引きずりd」 「待て、それ以上言うと飲めなくなるからやめてくれ」 …あやうくスプラッタな話題になるところだった… 「ん、お茶が無くなっちまったな」 「あ、淹れてくるね」 「いや、僕が淹れてくるよ。妹紅は客だから座ってな」 「たまには客が淹れてもいいでしょ。○○は座ってて」 「う…まぁ、いいか」 「出来たよ~」 「おう、サンキュ…」 そこには…茶とは思えない色の(土留色)液体が… 「も、妹紅…これは?」 「えっ?お茶だけど?」 「…ハイ、ワン、ツー、スリー、フォー、からあげやん!…じゃなくて…お茶は普通緑色だろ!」 「それは…まぁ…か、隠し味を入れてるのよ!」 「どんな?」 「えーと…なんだっけ…知らん!忘れた!」 「…じゃあ、妹紅が毒見してくれ…」 「うん。(ゴクリ)…ブホッ(吐血)」 「げっ…妹紅!大丈夫か?」 「…ピチューン…(死亡)……(リザレクション)し、死ぬかと思った」 「…いや、死んでるだろ…何を入れたらそんな風になるんだよ…」 「…ゴメンナサイ」 「いや、まぁいいけどな…」 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 「…どうでもいいけど慧音遅いな…」 「何してるんだろね?」 「……」 「……」 「…すまん、いま慧音が満面の笑みで使い魔をcaved!!!してるのが幻視出来た」 「…私も…」 …ちょっと待てよ…ってことはどう考えても慧音は今日は来れないよな… 夜明けまで妹紅と二人きりなんですか… う、顔が赤くなってきた… 「○○?顔が赤いよ…大丈夫?」 そういって妹紅が顔を覗き込んできた 「いや!大丈夫だから!」 思わず目線を逸らしてしまう。 一連の行動から妹紅も流石に気が付いたようだ。 あっという間に顔が赤くなっていった。 「あ…う…」 「……」 「なぁ…」「ねぇ…」 「あっ、ゴメン。○○先にいいよ」 「いや、妹紅から言えよ」 「ん…あのさぁ…今日って慧音来ないのかなぁ」 「…多分な…今頃お楽しみかな…」 「ってことは…今日って私と○○とで二人きり…」 「う…」 ~5分ほどの静寂~ 「ねぇ、○○は何が言いたかったの?」 「ん…同じことだ…」 「そう…」 「……」 「……」 気が付くと僕らの距離はだんだん近づいていった。 「…なぁ、妹紅」 「…何?」 「二人きりだから言えるんだが…僕はお前が好きなんだ」 「…え…い、いきなり何を言い出すの!?」 「…スマン、いきなり過ぎたな…忘れてくれ」 「あ…わ、私も…○○は好きだよ…」 「そうか……」 「うん……」 そして僕らはいつの間にか抱き合ってキスをしていた。 そして僕が妹紅を押し倒した瞬間だった。 「いやぁ~スマンスマン。すっかり遅れてしm…」 「「ッ!!!!!」」 「…○○キサマ…何をしているんだ?」 「あ…その…これは…その…」 「ほぉ…答えられないのか…妹紅、何をしているんだ?」 「え…その…あ…う…」 「フフン…二人して答えられないか…でもその状態…まぁ、お仕置きに値するなぁ」 「「え…」」 「さぁ、尻を出してもらおうか!」 「「か、勘弁して~!!!」」 ハハハ…なんかネタだらけだ…アハハハハ…はぁ…
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永い永い夜、月は暖かな白光を地上に送りながら 人々は眠りにつき 人ならざるものは起き そんな理の中から少し外れた人間のお話。 ッ!・・・ 「もうやめてくれ・・・頼む・・・」 「ふん、誰が止めるか」 迷いの竹林、永遠亭と真逆の方向にある館 屋敷と呼ぶには小さすぎ、家と呼ぶには大きすぎる その館を優しく照らす月光を突き破るような男の声 「頼む・・・許してくれ・・・」 「だから誰が止めるといった、今宵は私が満足するまで止めんぞ」 男は両腕と両足を台に固定されていた 二つの長方形を並べ、その間を跨ぐように。 その横に立つ少女があった。 背から紅蓮のツバサを広げ、あたりを舞う火の粉の美しさに彩られているその姿は 火の女神と呼ぶに相応しい姿だった。 「もう・・・ッ!・・・限界だ・・・頼む・・・」 「嫌だ。何度いったらわかるんだ?お前は」 長方形の台の間から立ち上る炎は、焼くには足りず 温まるには強すぎる。 そしてその炎は男の背をジリジリと焼いていく。 炎は畳や壁に移らず、男の背のみを炙り続ける 「妹紅・・・俺が悪かった・・・反省・・・している・・・本当だ・・・」 「本当に?」 「あぁ・・・本当だ・・・だから炎で炙るのをやめてくれッ!」 「ふんっ」パチンッ 妹紅と呼ばれた少女が指を鳴らすと、男を炙る炎はフッっと蝋燭を吹き消すように消えた。 「ハァ・・・ハァ・・・」 男の荒い息遣いが静かな夜によく響く カチンッ、妹紅は男の体を拘束している4つの留め金を外した ゴロンッ、男の体は台と炎から開放されて背に焼け跡を残したまま畳へ転がった ドスッ 「ウッ!・・・カハッ・・・・」 いつの間にか男の傍に立っていた妹紅が男の腹部に思い切り蹴りを入れた 男の口からは赤黒い血が痰とともに吐き出される。 妹紅は男の肩を優しく抱き上げると 「ごめんね・・・焼け跡も綺麗に直すから・・・」 そういうと奥から小さなツボを手に戻ってきた その中に入っている白濁色の薬を優しく男の背に塗っていく。 すると瞬く間に男の背の焼け爛れは消え、もとの健康的な肌色へと戻っていく。 二人は優しく抱き合い、その姿を月光が優しく照らしていた・・・。 「こんなプレイもたまには悪くなかったけどな~」 「バカ、あれは永林の薬があったからやっただけで本当はあんなこと」 「アドリブで蹴りなんていれちゃってさぁ、あれは結構効いたけど」 「あ、あれはだな・・・その・・・」 「まぁ、俺はよかったけどなー、妹紅のあの蔑むような目なんて特に」 「私はあんなこと二度とやらないからな」 「なんで?」 「そ、それは、お前の体に傷なんてつけたくないからだよ、たとえ全快するんだとしてもな」 「へぇ~、じゃあ今日は拘束して鞭で」 「お前私の話聞いてなかったのか?」 反省しない
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加入条件 異界15.灼熱のファイヤーダンスクリア 能力 タイプ HP 攻撃 防御 魔抵 素質 コスト 移動 射程 命中 回避 必殺 吹飛 拡大 再動 便乗 反撃 アイテム 療養 物理 46+24 38+18 8+4 6+3 C(46) 4 3 1 11 3 14 3 3 0 22 18 107/208 3 評価 療養ターンが3という唯一性能が売り。 攻撃力はそこそこ。でもパラメータ自体は4コストとしては物足りない。 売りを生かしていっぱい戦闘に出す事を考えよう。 気前良く攻撃性能を高める利点を生かせる。 療養ターンは上限2なので汎用アイテム1つで最大にする事ができる。 台詞集 初登場時 +... 魔理沙 よー、ただいまー。 霊夢 おかえりー。 妹紅 よー、お邪魔するよー。 霊夢 あれ、妹紅じゃない。 何でここに居るの? 魔理沙 やー、さっき戦ってたコイツが リザレクションしてるのが見えたからさ。 魔理沙 覗きに行ってみたら本物だったんで連れてきた。 妹紅 あんたら、ホント手加減しないよねー。 魔理沙 無論だ。 魔理沙 弾幕は手加減するんじゃなく、 ぶっ放すもんと相場が決まってるからな。 妹紅 あっはっは! 妹紅 まぁ、あたしだから一機減るくらいで済むけど、 一般人相手に無茶するんじゃないよー。 妖夢 減ってたんだ……。 霊夢 しないわよ、そんなこと。 みんながみんな、魔理沙じゃないんだから。 妹紅 でも似たようなもんだろう? てゐ そだねー。 妹紅 お、輝夜のところの兎じゃないか。 殺して良いか? てゐ あたしは一機減るくらいで済まないから、 そういうのは師匠か姫様にして欲しいなー。 妹紅 そーだなー。 妹紅 あたしもアンタ殺しても、 煮て焼いて喰うしかないしなー。 妹紅 あれ、意外とメリットあるな。 ……殺すか。 てゐ ちょっ、何でそんな結論に! ルーミア あたしはそのままでも食べるよー。 霊夢 こんな奴、煮ても焼いても、 毒が抜けるわけ無いでしょー。 霊夢 死んで再生するより、 毒食べてお腹壊してる方が辛いんじゃないのー? 妹紅 ははは、全くだな。 腹黒兎鍋は今度にしよう。 霊夢 で? 妹紅 ああ、魔理沙から話は聞かせて貰った。 妹紅 面白そうだし、私も混ぜてくれないかな。 霊夢 物好きねぇ。 ま、よろしくー。 妹紅 おー、よろしくー。 妹紅が部隊に加入します。 戦闘台詞 +... レベルアップ 別に強くなってもなぁ……。 アイテム発見 何だコレ、使えるのか? クリティカル 歯ごたえ、感じさせてくれるかな? 吹っ飛ばし ここには近寄らん方がいい。 効果拡大 焼き尽くすぞ、それっ! 再行動 悪いが、何度でも蘇るぞ。 何度でもだ。 反撃 攻撃は終わったかい? ……隙だらけだよ。 便乗 ……好機! 撤退 ん、分かった。戻ろう。 体力0 リ、リザレクショーン!
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藤原妹紅 Huziwara no Mokou 登場作品 東方永夜抄 種族 人間(蓬莱人) 性別 女性 一人称 私 特殊能力 老いる事も死ぬ事も無い程度の能力 「生まれ生まれ生まれ生まれて生の始めに暗く、死に死に死に死んで死の終わりに冥し」 概要 迷いの竹林に住む不老不死の人間。 元々は貴族の娘。かつて父親がかぐや姫(=蓬莱山輝夜)によって恥をかかされており、彼女を目の敵にしている。 父が輝夜に恥をかかされた後、彼女は「月に帰った」輝夜が地上に残した2つの壺のうち、迷惑をかけたとして帝に残した壺が運ばれることを知り、壺を奪うことで復讐をしようと考えた。 帝の勅命により薬が運ばれる先である富士山頂へ向かった妹紅であったが、登山の準備を怠っていたため途中で行き倒れ、本末転倒にも帝の使いのリーダー・岩笠に助けられることになり、それ以降行動を共にする。 山頂へ至ると岩笠は壺を火口へ投げ込んで処分しようとするが、そこに現れた木花咲耶姫によって阻止され、さらには壺の中身が服用することで不老不死になる「蓬莱の薬」であることを知ってしまう。 次の日、咲耶姫から薬を処分する場所として八ヶ岳を勧められ下山するが、魔が差した妹紅は岩笠から薬を強奪し、それを口へ運んでしまったのであった。 不老不死になった妹紅はまったく成長しないことを周囲の人間に訝しがられるのを嫌い、人妖のように人目を避けるようになる。 一つの場所にとどまることができなくなり、何不自由なく暮らす事のできた貴族の娘から妖怪退治を生業としながら妖径のように孤独な流浪生活を送るようになった。 そして長い年月が過ぎ、幻想郷にたどり着いた頃に因縁の相手である輝夜と再会するが、同じ不老不死の境遇である彼女に対し、仲間を見つけた様な共感を抱いたらしく、 それからの2人の関係は互いに憎み合いつつも、殺し合うほど仲がいい関係に落ち着いたようだ。 一方、直接的に自らの境遇を生み出したとも言える咲耶姫に対しては正真正銘の激情を吐露している。 外見 白髪(銀髪)の長い髪に複数のリボンを付けている少女。 真紅の瞳を持ち、白のカッターシャツと赤いもんぺのような装い。 衣服の各所に護符のような物が付けられている。 性格 気が強く、少々やさぐれている。 不老不死の境遇からあえて暖を取らないなどの自虐的な面も目立つ。 しかし親切で気のいい面もあり、面倒見のいい性格でもある。 人と接するのは不得意なようだが、他人の身の上話は喜んで聞くこともある。 不器用ながらも性根はお人好しのようだ。 輝夜と殺し合いを行う今の現状を「生きているってなんて素晴らしいんだろう」といった皮肉にも読める感情で楽しんでおり、独特の死生観を持つ。 不老不死の人間を恐れない幻想郷を蓬莱の地に違いないと表現している。 二次創作ではキャラクターのイメージからか男口調で書かれることが度々あるが、原作では女性口調で喋っている。 能力 老いる事も死ぬ事も無い程度の能力 蓬莱の薬を服用したことによる不老不死の能力。 魂を起点にあらゆる場所で肉体の再生・再構築を行うことが可能。 例えどれだけの大怪我を負おうが数日で元通りになるものの、苦痛や空腹は通常の人間と同様に感じる。 如何なる苦しみを味わおうと肉体が死ぬだけでその魂は決して死ぬことなく「リザレクション」する。 妖術 幻想郷に辿り着くまでの間に身に付けた能力。 長年妖怪退治を行なっていた為か、戦闘用の独自の妖術を習得している。 妹紅は炎を操る妖術に長けており、不死鳥を模したスペルカードを使用する。 +本ロワにおけるネタバレ 本ロワにおける動向 初登場話 :001.Like a Bloody Storm 死亡話 :[] 登場話数 1話 登場時期 永夜抄以降(神霊廟終了時点) スタンス 対主催(主催撃破) 詳細 記念すべき第1話「Like a Bloody Storm」にて登場。開始位置はD-5魔法の森・果樹園の小屋付近。 『望まぬ者にさえ殺し合いを強要する』という主催者に強い嫌悪感を覚え、彼らの掌で踊らされることを良しとせずゲームへの反抗を決意する。 直後に遭遇したのは柱の男の一人、炎のエシディシ。程なくして彼との戦闘に持ち込まれ、炎vs炎の対決に。 苦戦を強いられながらもスペルカードや支給品の拳銃を用いて粘るが、エシディシの驚異的な戦闘力を前に無意識の内に恐怖を覚え撤退する。